Tagchan's Blog
ハイチの被災地を撮影した商用高解像度衛星画像がWMSで公開
昨日のエントリで、Google Earthでハイチの被災地を撮影した商用の高解像度衛星画像が公開されていることを紹介したが、WMSで公開されていることがわかった。これはインパクトが大きい。
この大地震によって、地図関係の大きな動きとしては、OpenStreetMapの活発な活動が挙げられる。OpenStreetMapは参加型で地図を作成するプロジェクトである。今回のハイチの大地震により、世界各地の人々から、あらゆる情報を使い、ハイチの地図の作成が行われている。当初は、Landsatなどの中解像度の衛星画像が活用されていたのだが、とうとう商業用の高解像度衛星画像が活用されるようになった。
これらの衛星画像は、これまで紹介してきた国際的に標準的な地図画像のやりとりの方式あるWMS(Web Mapping Service)が利用されているのだ。これによって、公開するだけでOpenStreetMapで活用できるようになったのである。もちろん、WMSなので、Google EarthやQuantum GISなどの他のクライアントでも表示可能である。Quantum GISでのWMSの利用方法 はこちら、Google EarthでのWMSの利用はこちらを参照されたい。
WMSの情報は、WikiProject Haitiに示されている。以下に各衛星画像のCapabilitiesのURLを示す。
・DigitalGlobe
http://maps.geography.uc.edu/cgi-bin/mapserv?map=/home/cgn/public_html/maps/mapfiles/haiti.map&version=1.1.0&SERVICE=WMS&REQUEST=GetCapabilities
地震前と後の写真がある。ただし、地震後の写真は白黒のようだ。
・Geoeye
http://maps.nypl.org/relief/maps/wms/32?request=GetCapabilities
地震後のカラー写真がある。
これらの写真を使い、被害調査が行われている。写真で判読であるため、制約があることは否めないが、倒れた建物、倒れそうな建物、通れない建物、倒壊した橋などもマッピングされている。また、国連の要請で、難民キャンプを求められているらしい。(リンク)
OpenStreerMapにログインし、ハイチの画像を見ると、情報がどんどん追加されているのがわかる。
最新の情報なのかわからないが、OpenStreetMapのWMSが公開されており、そこで追加されている情報を見ることができる。
OSM WMS Service
http://vizure.net/support/blog/item/1-osm-wms-service
上記のWMSのCapabilities
http://data1.vizure.net/server/services/osm.xml
このような規模で、参加型によって、衛星画像を活用して災害調査が行われた事例は、はじめてではないだろうか。これを実現できたのは、WMSなどの相互運用技術が広まってきたからである。
インド洋の大津波の際は、高解像度衛星画像によって、津波の様子や渦を撮影し、そのインパクトが世界に伝わった。5年が経過し、今度は見るだけでなく、衛星画像を使うところまで、到達したといえる。非常に感慨深いものがある。衛星画像の利用の新しいパラダイムシフトが起きた瞬間かもしれない。
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ハイチ地震被災地の衛星観測と画像公開について考えた
ハイチ地震の全容が次第に明らかになってきている。それと同時に、衛星観測によるデータが出てきている。1月14日夜の時点で確認できているのが、日本のJAXAのALOS(だいち)、アメリカの商用衛星Geoeyeの画像である。色々な面で違いが分かりやすいので紹介する。
1. ALOS(だいち)
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるハイチ地震にともなう緊急観測
http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jdis_av2_haiti_100114.htm
一部の拡大画像が紹介されている。2時期の画像の比較から、被害が起きたところは白くなっているということらしい。上記のデータが国際災害チャーターへ利用されている。
国際災害チャーター
http://www.disasterscharter.org/activation_details
衛星写真地図が公開されている。ただし、高解像度版の画像は公開されていないらしい。
だいちは、AVNIR-2の10m解像度による観測である。ポインティング角度が-26度なので、直下視しか撮影できないPRISM(白黒画像だが2.5m解像度と高解像度)との同時撮影はできない。そのため、擬似的に高解像度の衛星画像(パンシャープン画像)が作成できない。
また、被害が起きたところは白くなっているということだが、ポインティング角度が大きいことと(反射角度)、比季節が異なる点(太陽高度角)から、白イコール被害箇所という解釈は慎重になる必要があるかもしれない。ただし、一般的には倒壊箇所は白っぽくなるといわれている(屋根が崩壊せずに倒壊した場合は、白っぽくならないため、判読が難しい場合がある)。
2. Geoeye
Haiti imagery layer now available
http://google-latlong.blogspot.com/2010/01/haiti-imagery-layer-now-available.html
以前からGeoeyeとGoogleは連携が密である。それを利用して、GoogleがGeoeyeの衛星画像が閲覧できるKMLファイルを公開した。このファイルをGoogle Earthに表示させ、被災前の高解像度衛星画像との比較もできるようになっている。
この写真の解像度は、画像の圧縮が影響していて判断できないが、1mから数mのオーダーの解像度ではないだろうか。撮影範囲はかなり広い。判読してみると、建物ごとに倒壊の度合いが分かる。しかし、上から見ているために、崩壊しているのか判別しづらい部分もある。
3.考察
JAXAのだいちは、国際チャーターで一番早く画像を提供したが、画像ファイルであり、しかも解像度なりの詳細さをもった閲覧ができない。一方、GoogleとGeoeyeでは、Geoeyeが撮影した衛星写真をGoogle Earthという世界的に有名なソフトウェアにより、地理情報として、その写真が持つ解像度なりの表示を実現し、世界中の人が被災状況を見ることができる機会を提供した。
だいちとGeoeyeには衛星センサとしての差は歴然としている。これはGeoeyeの方が新しいわけで仕方ない。とはいえ、衛星画像の品質が全く同じだったと仮定しても、どちらが使える衛星写真を提供しているといえるだろうか?
個人の考えであるが、災害等の緊急時においては、だいちの画像は、圧縮せずに地図と重なる形式(つまり地理空間情報)で公開するべきである。つまり、以前から当Blogで取り上げているようなWMS(Web Mapping Service)による公開を行うべきである。そうすることで、衛星画像にアクセスできる人が増え、衛星画像が役に立つデータとなる可能性がある。なお、WMS形式はGoogle Earthにも表示できる。
誰がユーザーかによって、公開方法は異なるだろう。しかし、衛星画像は地図であり、たくさんの人と共有すべきデータに近い。これからは、衛星センサのみを見るのではなく、どう衛星画像を使われるのかを考え、現在の情報技術に対応した衛星画像の情報流通のデザインを考えていく必要があるだろう。
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ソーシャルメディアが地震防災研究に貢献できるか?
阪神淡路大震災から15年ということもあり、地震関係の話題をよく目にする。流行もので大変恐縮だが、Twitterに代表されるソーシャルメディアが地震防災研究に貢献できる可能性について考えてみたいと思う。ここで「地震防災研究」としているのは、実際に地震防災に役に立つ手段なのかが明らかにされておらず、有効性を評価するための研究が必要だからである。しかし、以下の2つの項目に記した文章から分かるように、研究ができる下地は整っており、地震防災研究へ貢献できる可能性は十分にあるといえる。
・地震予知の研究にソーシャルメディアは使える?
毎日新聞のサイトで以下のような記事を発見した。
地震:異常現象を予知に生かそう 関西の産学が本腰(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20100106k0000e040069000c.html
空が赤く光るといった地震前の非日常的現象の情報を集め、地震予知に生かそうという取り組みが今月から始まる。科学では分からない「未科学」の部分を解き明かそうという試みで、「関西サイエンス・フォーラム」(会長=秋山喜久・関西電力相談役)が計画した。京都大や大阪大などの地震や気象、生物等の研究者約30人が参加、一般からの情報も募る。
国は、このようなタイプの研究は行わない立場であるが、大学などの研究機関がこういう研究を行うことは意義がある。「未科学」という言葉が新鮮である。さて、この研究を意味のあるものにするためには、異常現象である可能性がある情報を数多く収集することである。当然のことながら、モバイル端末や携帯電話による一般からの情報は、重要なウェイトを占めるだろう。
こういうものこそTwitterのようなソーシャルメディアが活用できる。タグ付けして写真を撮影するなり文章を、簡単な住所と共にTweetすればよい。iPhoneならTwitterクライアントであれば、自動的に位置情報をつけることもできる。大きな地震がいつ起きるか分からないため、情報を募る期間が読めないという問題点はあるが、上記の方式で情報を収集するコストは、プラットフォームができているので、ほとんどかからないため、やってみる価値はあるのではないだろうか。
・被害などの情報の集約にソーシャルメディアは使える?
アメリカでは、USGS(地質調査所)が、Twitterで地震の情報を収集できるかどうか研究を行っているというニュースを発見した。
アメリカ地質調査所,ツイッターを活用した地震情報収集システムを実験(メディア・パブ)
http://zen.seesaa.net/article/137775957.html
アメリカ地質調査所はこれまでも世界各地で頻発している地震を速報しており,RSSフィードでも時系列で配信している。世界中の限りあるセンサーからのデータをもとに地震発生地を検知していた。ところがこのTED( Twitter Earthquake Detection)では,これまで違って人によるコメントや写真などの情報が地球上のあらゆる場所から集められる。 "earthquake"とか"tremor"のようなキーワードを含むツイートを収集していけば,膨大な情報が集まるようになるだろう。2008年7月の南カリフォルニア地方で起こった地震では,携帯電話の通話が滞ることがあったが,SMSやモバイルアプリ経由のツイッターがかなり使われたという。緊急時のコミュニケーションツールとしてもツイッターは定着していきそうだ。
報道機関や行政機関などは、被害の迅速な把握が必要だが、ソーシャルメディアによって蓄積される情報が役に立つ可能性がある。ノイズが多いことが予想されるが、位置情報が付与され、地震に関するキーワードで検索するなり、決められた(どのように決めるのかは課題)ハッシュタグを付けることで、必要な情報を抽出できる可能性が高い。
大地震が発生すると通信網が遮断される可能性があるため、このような仕組みがうまく働くのかは未知数である。ただ、前述したように、このような可能性を明らかにするための研究にかかる費用は、すでにTwitterなどのプラットフォームはできているため、少なくて済むのである。大きな地震は発生して欲しくないのだが、大地震のような大規模災害が発生した際には、ソーシャルメディアの可能性および有効性を評価してみたいと思ったりしている。
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2010年の気象関係の展望
- 2010年1月 1日 15:44
- 天気
最近は気象関連の話題について触れていないが、2つほど触れつつ、2010年を展望してみたいと思う。
・ソメイヨシノの開花予想の廃止
2009年12月25日に気象庁からさくらの開花予想を廃止することを発表した。民間気象会社との予報の比較は話題性があったが、これは気象庁にとっては勇気ある撤退といえる。気象の自由化が行われて15年経過したが、民間に任せられるものは任せても良い段階にきているのではないか。今後は、継続性が重要な観測や防災の観点から重要な予報に絞り、明確な線引きをした上で気象庁は業務を続けるべきだと思う。
そのように考えると、紫外線予報や黄砂予報は気象庁が予報を出すすべきかどうか、ということは議論の余地があるかもしれない。今年は独立行政法人や財団法人の見直しが始まると思うが、気象業務支援センターのありかたを含めて、このような議論が起きることを期待したい。
・Twitter + 位置情報は新たな気象情報のブレークスルーが起きるか?
今年はTwitterが大ブレークとなったが、気象関係での利用可能性には引き続き注目していきたい。昔、Twitter検索で気象関係のキーワードの抽出を試みたが(リンク)、ハッシュタグで#tnkをつけて天気に関する情報の収集を試みる動きがあり、今後の展開に注目していきたい。
また、TwitterがAPIで位置情報をサポートしはじめたように、位置情報と天気がリアルタイムで結び付けば、だれもがリアルタイムで任意の地点の気象情報が収集できる可能性がある。Twitterのユーザ数の爆発的な増大を考えると、天気の新しいブレークスルーが生まれる可能性も十分にありうる。
Twitterを利用してリアルタイムでユーザが報告する気象の情報を収集できるようになるが、そのようなプラットフォームが構築された先については、専門家(気象予報士)の関与が不可欠になるだろう。これによってはじめて、科学コミュニケーションまたは気象災害に関するリスクコミュニケーションがなされることが期待される。技術的にはこれを実現することは可能である。
iPhoneアプリで考えると、こういう観点で作らたアプリは存在していないので、その辺のサービスを気象事業者がはじめてみるのもおもしろいのではないか。ただし、気象業務法的にどうなのかは現時点で明言できないので慎重な判断が必要かもしれないが・・・。
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Twitterでリアルタイム生中継してみた
- 2009年10月27日 10:42
- 話題
突発的にTwitterでリアルタイム生中継(いわゆる、tsudaる)をやってみた。中継したイベントは、日本災害情報学会大会記念講演「懸念される巨大地震と予知の現状」(阿部勝征 東大名誉教授)。これは、一般の方も申し込めば無料で参加できる講演会だった。
この講演会の直前まで生中継をするつもりではなく、Twitterによるリアルタイム生中継の方法を調べておかなかったため、ハッシュタグをつけ忘れてしまった。
今回のリアルタイム生中継の感想だが、講演者の言葉は前後のコンテキストで語られているため、1つのポストの内容が一人歩きする可能性があると感じた。この点は、引用する人は注意が必要だろう。
-- 以下、twitterタイムライン--
地震防災講演会「懸念される巨大地震と予知の現状」 東京大学名誉教授 阿部勝征氏 posted at 13:31:51
阿部氏:地震予知のための3条件「前兆の存在、前兆の観測、前兆であることの判断」posted at 13:46:40
阿部氏:阪神大震災の前兆は1500報告されている。しかし、疑問があるものが多い。たとえば、ラジオの雑音、赤い満月。posted at 13:49:22
阿倍氏:あとから考えると前兆だったと思ったものは「事後予知」である。しかし、起こる前に前兆から判断することが重要。posted at 13:51:04
阿倍氏:現状は客観的に前兆であると認識する物差しは持っていない。posted at 13:51:35
阿部氏:従って、地震予知は困難である。posted at 13:51:50
阿倍氏:想定東海地震の発生は多くの科学者は認めているが、いつなのかは現時点では言えないので、「いつ起きてもおかしくない」という表現になる。posted at 13:52:57
阿倍氏:想定東海地震は、東南海と南海地震と連動しておきるだろうといわれている。posted at 13:54:32
阿倍氏:想定東海地震が単独で起きるのか、連動するのかは、現時点では研究段階であり、結論は出ていない。posted at 13:55:04
阿部氏:過去、10万回くらい起きているが、過去4回くらいしかわかっていない(江戸時代以降)。どういうパターンなのかはわからない。posted at 13:56:28
阿部氏:愛知県、静岡県は密な観測網があり、判定会が設置された。今から30年前。posted at 13:57:01
阿部氏:想定東海地震の判定会がある根拠は、マグニチュード8クラスという巨大地震だからである。活断層の直下型はマグニチュード7クラス。しかも静岡県の直下で起きる可能性あり、しかも、観測しやすく、理論的には、前兆のマグニチュード5クラスのすべり減少が起きるといわれているからである。posted at 13:58:54
阿部氏:従って、想定東海地震を除くすべての地震は、予知できないということになる。posted at 13:59:57
阿倍氏:判定会が前兆をとらえて黒白の判定するのは無理、ということで1996年に判定会長は辞任した。posted at 14:01:33
阿部氏:気象庁が出せる情報は2つ(二段情報)。異常が現れたという情報(観測情報)と、次は総理大臣が出てきて警戒宣言を出す。しかし、警戒宣言の前に準備情報が欲しいという要望があったが、その当時の科学的知見では出すことができなかった。posted at 14:03:45
阿倍氏:アンケートによると、静岡県の4人のうち3人は予知できないだろうと考えていた。posted at 14:04:55
阿部氏:そのあと、行政・研究・報道で議論してきたが、地震学が研究が進展してきた。それは、「ゆっくりとした滑り現象」である。posted at 14:06:13
阿倍氏:滑り現象をとらえれば、予知できるかもしれないという成果が出てきた。そのため、ひずみ計を用いて検出しようという方向に動いた。2003年から。posted at 14:07:03
阿部氏:漠然とした「前兆現象をとらえる」から、ひずみの計測に特化するという報告となった。posted at 14:07:59
阿部氏:すべりの進行によって、3段階ある。観測情報、注意情報(2004年から)、予知情報(総理大臣の警戒宣言)。posted at 14:09:12
阿倍氏:ようやく、注意情報を出せる段階となったわけである。posted at 14:09:34
阿部氏:2009年8月11日の駿河湾の地震について。(ここからやっとスライド使用)posted at 14:10:08
阿部氏:ポケットベル(メール?)に、判定会のための所在確認メールが来た。メールには「*** 本番 ***」が入っていた。今までは、「***訓練***」だった。posted at 14:11:05
<注意>無料で参加できる講演会の内容を流しています。内容に関する事実関係は、ご自分で確認ください。posted at 14:12:55
阿部氏:(震源分布の地図を見せ、併せて、断面図を見せる)posted at 14:14:49
阿部氏:プレートの沈み込みによる地震ではないことがわかった。posted at 14:15:12
阿部氏:静岡県のひすみ計が変化し、その変化分が想定東海地震の前兆すべりではないのかという課題が残った。posted at 14:16:54
阿部氏:前兆すべりかどうかわからないので、気象庁は「観測情報」を出した。これははじめて。posted at 14:17:18
阿部氏:ひずみの変化がおさまってきて、普段の状態に戻った。そのため、気象庁は11時過ぎに観測情報(3回目)を出して、「東海地震に結び付くものではない」と発表した。posted at 14:18:33
阿部氏:このように、科学的根拠に基づいた判断が行われたのである。posted at 14:18:56
阿部氏:こんかいの出来事で、2つの課題が出てきた。posted at 14:19:09
阿部氏:普段使わない情報が出たことで、「観測情報」とはいったいなんだ?と思った人が多かった。posted at 14:19:46
阿部氏:誰が啓発活動をするのか?とはいえ、普段使わない情報についての周知が大事である。posted at 14:20:09
阿部氏:2つ目の課題。想定東海地震が発生した後は大津波が発生する可能性が高いが、沿岸の人々はすぐには逃げないというアンケート結果が出ている。posted at 14:21:46
阿部氏:想定東海地震では、数分で大津波が来ることを周知する必要がある。posted at 14:22:15
阿部氏:東海、南海、東南海地震について。posted at 14:23:57
阿部氏:慶長、宝永、安政は3つの地震が連動した。しかし、昭和の地震は、南海、東南海は起きたが、東海地震が起きていない。posted at 14:24:52
阿部氏:3つの地震の前後では、内陸で地震が多く起きている傾向がある。posted at 14:25:45
阿部氏:阪神淡路大震災によって、新たな活動期に入ったと考えている科学者もいる。posted at 14:26:21
阿部氏:南海、東南海は、海域がメインなので、ひずみを捉えることができないため、予知は難しいと考えられる。posted at 14:28:23
阿部氏:(南海、東南海地震で予測される津波の分布図を見せながら)、2m以上の津波が数分でくる。海岸付近の木造建物を大破させる津波が発生する。posted at 14:31:24
阿部氏:中央防災会議の被害想定では、3つが連動した場合など、6通りの被害想定をおこなっている。posted at 14:32:12
阿部氏:3つの地震が同時におきると、死者は28300人、全壊建物が96万棟。posted at 14:33:01
阿部氏:東南海、南海地震の被害を半減することを、地震防災戦略と名付けて目指している。posted at 14:34:23
阿部氏:そのためのポイントは、事業継続計画の策定、建物の耐震化、初期消火率の向上の3つである。posted at 14:35:04
阿部氏:事業継続計画(BCP)の策定は、政治・行政・経済の中枢への被害に対して。posted at 14:36:28
阿部氏:建物の耐震化は、膨大な被害量の軽減のため。posted at 14:36:50
阿部氏:地震防災戦略のフォローアップを行っている。しかし、耐震化はほとんど進んでいないのが現状である。posted at 14:37:41
阿部氏:緊急地震速報について。posted at 14:38:12
阿部氏:緊急地震速報は、地震を起きた後にただちに情報を伝えるため、予知とは異なる。posted at 14:39:39
阿部氏:想定東海地震南端で地震が発生したら、東京まで47秒ある。posted at 14:40:18
阿部氏:しかし、直下の場合は難しい。 posted at 14:40:38
阿部氏:緊急地震速報によって、対応できるのは数秒から数十秒である。しかし、あらかじめ訓練しておくことで役に立つ場合もある。 posted at 14:41:27
阿部氏:2009年8月11日の駿河湾の地震では、緊急地震速報はおおむね良好な正確さだった。 posted at 14:42:37
講演会終了。 posted at 14:46:10
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実務で使う上での人工衛星画像の限界と可能性
- 2009年10月25日 15:30
- リモートセンシング
久々にマスメディアの記事に反応してみる。光学センサによる人工衛星の画像の問題点を報じた記事である。こういう記事が出てきたのははじめてではないだろうか。
不法投棄人工衛星で監 視界不良(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20091022-OYT8T01274.htm
後を絶たない廃棄物の不法投棄に対し、人工衛星から撮影した写真で投棄現場をキャッチしようという試みが今年度、各地の県民局で続いている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)から購入した写真をもとに各県民局で分析し、山間部など地上パトロールの盲点になりやすい場所への投棄を発見する狙い。ただ、衛星写真の限界もあり、成果はまだ見えてこないようだ。
(中略)
しかし、これまでに発見に至った投棄現場はゼロ。県環境整備課によると「衛星が県上空を通る時に雲がかかっていると、場所によっては地表が見えない」。さらに「衛星通過は年に8度。年4回の写真購入はあくまで予定」という。
淡路県民局でも調査員2人が分析。投棄ごみを特定できるほど鮮明でなく、環境課は「廃棄物処理場の位置や過去に投棄があった場所など、データを蓄積しながら試行錯誤中」とする。調査員も、衛星写真とは別に、投棄の可能性がある場所を見定めて歩くことが多く、上空監視の威力が表れるまでにはまだ時間がかかりそうだ。
人工衛星の問題点として、この記事からは1)画像の解像度の問題、2)1年間に限られた回数しか撮影できない問題、3)雲がかかって見えない場合がある問題、が挙げられている。実務で使う上での問題点が網羅されているといえる。
1)画像の解像度の問題についてだが、だいちの解像度は2.5mとはいえ、これは白黒画像のみの解像度である。カラー画像の場合は10mの解像度である。擬似的に2.5mのカラー画像を作成することは可能だが、不法投棄の規模にもよるが、経験的にも判読するのが難しいケースも多い。
2)1年間に限られた回数しか撮影されない問題についてだが、年に8度というのは、ほぼ真上を通る回数である。衛星センサ(場合によっては衛星自体)を傾けることが可能なため、実はずっと多い回数の撮影が可能である。災害時などの緊急撮影の場合は、だいちでは2日以内に撮影するようにすることが可能である。しかし、2日以内というのは衛星には負担がかかり、他の撮影スケジュールとの兼ね合いとなるので、そう頻度高く撮影することは難しいだろう。
3)の雲の問題についてだが、結局は晴天率次第で、特に快晴率次第である。冬の太平洋側は晴れていることが多いので、撮影可能なケースは多いが、雲が多い梅雨から秋前のシーズンはチャンスが少ない。運の部分も大きい。2)との関連で、撮影回数が多くなれば、それだけ雲の影響を受けない日に撮影できるチャンスはある。
これらの問題を解決するためには、ひとつの人工衛星の画像データを使うことに固執しないことである。つまり、目的に応じて、解像度や時期が適した、様々な人工衛星画像を入手し、利用することが重要である。現状は、処理やコストの問題など、様々な課題があるが、人工衛星の画像を実務で使えるデータとするためには、このような利用イメージを容易に実現できるかにかかっているのではないだろうか。
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Google ビルディングメーカーによる参加型3次元建物モデル作成
最新の写真測量技術を使って、建物の3次元モデルを参加型で作成する試みがGoogleからはじまったので試してみた。豆腐のような壁面が無い3次元モデルではなく、壁面付きの3次元モデルが簡単に作成できる。
Googleビルディングメーカーでは、斜め写真などの大量の航空写真(空中写真)を使い、その写真から建物の3次元構造(輪郭線)がどのようになっているのかを、マウスを使って教えてあげるだけである。これらの航空写真を撮影したカメラは、どこでどの向きで撮影したのかは撮影時点で計測しているので、複数の写真で、特定の建物がどういう輪郭線であるのかをインプットすることで、建物の輪郭線が現実世界の3次元地理座標と対応をとることが可能となる。それによって、3次元モデルが作成可能となる。
以下が、建物の輪郭線が写真でどのように表現されているのかを示している様子である。直方体だけでなく、屋根のような形状との組み合わせも可能である。
このシステムでは、6枚から8枚くらいの航空写真を利用しているが、写真の枚数が多くなればなるほど、その3次元モデルの位置や高さの情報の誤差が少なくなる(もちろん、ユーザ次第で精度は変わるが、致命的なミスは減る)。また、斜め写真ということで、建物壁面の画像を切り出して、3次元モデルに貼り付けることが可能となる点が大きい。通常の地図作成の場合は、2枚の写真による立体視なので、壁面が写っていない場合も多いが、斜め写真を使うことで、その問題は解決する。
以下が、完成した3次元モデルである。かなりいい加減に作ったが、それっぽい表現になっていることがわかる。
斜め写真を複数撮影し、写真測量を行う技術としては、アメリカのピクトメトリー社という航空測量会社が国際航業と提携したことが知られている(リンク)。Googleがこの企業の技術を用いたかどうかは不明だが、この方法と大差無いだろう。
これにより、コストと時間をかけて正確な3次元モデルを作るアプローチ(従来型)と、質は劣るが大量にそれっぽい3次元モデルをユーザが作るアプローチ(参加型)の2種類によって3次元モデルが作成可能となったわけである。2つのアプローチを併用しつつ、広範囲で3次元の地球がサイバースペースで再現できるように、うまく進めて欲しいものである。
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地震動マップ即時推定システム(QuiQuake)がWMSで配信
- 2009年10月18日 19:36
- 地図
日本全国の地震動マップを推定して結果を公開するシステム「地震動マップ即時推定システム(QuiQuake: Quick estimation system for earthQuake map triggered by observed records)」が公開された。(個人的に)注目すべきは、WMSで配信していることである。専門家が配信するこのような地理空間情報を、WMS配信することで、複数のソフトウェアによってユーザが動的に表示して、他のデータと重ね合わせることが可能となる。
ウェブサイトの概要によると、データの種類は2つあり、震動による最大地動速度(PGV: Peak Ground Velocity)と計測震度がある。また、データはGeotiffでも公開している。データは、KMLで公開されているが、KMLからWMSを使ってGoogle Earthで表示することが可能である。しかし、WMSはGoogle Earthのみで閲覧するわけではないので、WMSのURLを調べてみた。
2009年10月18日時点でこのサービスで最新の地震のKMLをダウンロードしてみる。KMLをテキストエディタで開くと50行目に以下のようなURLがある。
http://carteb.geogrid.org/mapserv/qqm?LAYERS=PGV_20091011101200&TRANSPARENT=true&FORMAT=image%2Fpng%3B%20mode%3D24bit&SRS=EPSG%3A4326&SERVICE=WMS&VERSION=1.1.1&REQUEST=GetMap&STYLES=&EXCEPTIONS=application%2Fvnd.ogc.se_inimage&WIDTH=1024&HEIGHT=1024&
「LAYERS=PGV_20091011101200」が、データのIDにあたり、2009年10月11日10時12分の地震ということをあらわす。この長いURLがWMSのURLであり、Quantum GISでも表示可能である。以前のブログで紹介した方法で、Quantum GISで表示してみた。凡例はこちら。
2つのマップを並べたが、同じエリアを切り出したものである。左側はGeography Network JapanでWMS配信している数値地図25000である。場所は、根室半島付近である。震源は、これより南東にあるのだが、必ずしも震源からの距離によって揺れが大きくなるわけではなく、地形によって変化する。地形から判断すると、湿地と推測される箇所が揺れやすくなっている。このように、地形による地震動の違いも判別できるデータである。ただし、WMSではPGVは見ることができたた、計測震度のデータは公開されていなかった。ぜひとも計測震度もWMSで配信して欲しいと思う。
上記のURLは、個別の地震だった。次に、リストから地震を選ぶようにしてみよう。以下のWMSのURLを入れて見る。
http://carteb.geogrid.org/mapserv/qqm?
すると、現時点で1996年以降の4992個の地震の地図がリスト表示されて、選ぶことができるようになっている。日付で選べるようになっており、大きな地震の日付と時間を調べておけば、その地震の地震動のマップが表示できる。以下のマップは、2009年8月11日早朝の最大震度6弱の地震の最大地動速度マップである。
自分の住んでいる地域と他の地域の最大地動速度を比較してみると、自分の住んでいる場所の揺れやすさが見えてくるかもしれない。
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gdalwarpでタイル状のラスター型GISデータを接合
GDALのプログラム群のひとつである、gdalwarpを使うと、ラスター型(メッシュ)のGISデータの接合が簡単にできるので自分へのメモを兼ねて紹介したい。
国土地理院の基盤地図情報やASTER GDEMなどで公開されている地盤高データ(Digital Elevation Model; DEM)は、タイル状に分割されて公開されている。そのため、境界部を対象にする場合や、広域な利用を考える場合は、データを接合する必要がある。
基盤地図情報については、以前のエントリでラスター型GISデータへ変換できることを紹介した。先日公開がはじまったASTER GDEMはGeotiff形式のラスター型GISデータとして公開されている。これらのデータは、GDALのgdalwarpを使うことで、簡単に接合処理ができてしまう。
gdalwarp ファイル1 ファイル2 出力ファイル
ファイル1とファイル2をつなぎ合わせたものが出力ファイルに保存される。大量のファイルの場合は、アスタリスク"*"を使いワイルドカードによって大量のファイルを指定することができれば、大量のタイル状のファイルを接合することができる。つまり、
gdalwarp ワイルドカード付きのファイル 出力ファイル
とすることで、大量のタイルを接合することが可能となる。
今回、基盤地図情報の10mのDEMを以前エントリの方法でラスター型GISデータへ変換し、gdalwarpで接合した。以下に接合後のファイルを示した。
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iPhone 3GSの写真には方位角が記録されている
- 2009年7月 1日 23:18
- iPhone
概要:iPhone 3GSの新機能として、方位が分かる電子コンパスがあるが、撮影した写真のヘッダー情報(EXIF)には方位角が含まれていることを確認した。ただし、iPhoneを真横に傾けて撮影する場合は、方位角が異なる点に気をつける必要がある。
iPhone 3GSを発売日から2日後の日曜日に秋葉原ヨドバシカメラにて購入した。動作が格段に速くなり、大変満足している。パフォーマンスについては多くのブログで言及されているので、今回はiPhone + 写真 + 位置情報の関連のテーマとする。
一番気になったのが、新機能である電子コンパスである。電子コンパスの方位角の情報が撮影した写真に埋め込まれる可能性があると考えた。iPhone 3Gの写真には、ヘッダー情報であるEXIFに位置情報(緯度経度)が格納されてた。そこで、iPhone 3GSに撮影された写真に方位角が格納されているのかを確かめてみた。
まず、EXIFには「gpsImgDirectionRef」という項目があり、これは写真の撮影方向を格納する部分らしい。ということは、EXIFのフォーマットとして写真の撮影方向を格納する方式はすでに定められているということである(参考)
iPhone 3GSで撮影してEXIF情報を調べてみよう。実際の方位角との比較ができるように方位磁針を撮影してみた。
撮影した写真のEXIF情報を示す。ソフトウェアはEXIF Readerを使用した。
3GSになってEXIFに記載される情報量が増加した印象である。EXIFのGPS情報のところに、「撮影した画像の方向」という部分がある。そこに358.09°という値が入っている。これは「北から時計回りに8.09度の方向」という意味であり、ほぼ北に向かって撮影したことを意味している。確かに、3GSで撮影した写真には方位角が記録されている。しかし、方位磁針が撮影された写真を見てわかるように、撮影の向きは東であり、正確ではない。
このようになる原因を考えたが、写真を撮影する場合に横にiPhoneを傾けて撮影した場合と、縦に傾けて撮影した場合とで方位角が異なるのではないかと考えた。先ほどはホームボタンが右側、通話用スピーカーを左になるように真横に傾けて撮影したので、次にカメラを縦にして撮影してみた。
109度になり、ほぼ東向きの角度となった。ということは、縦撮影の場合のEXIF情報の方位角は正確だが、横の場合は注意が必要ということである。
マップアプリで方位角を表示してiPnoheを撮影する場合と同じように傾けて試行錯誤したが、どうやらiPhoneを縦に持った場合の向こう側を指す方角を方位角として認識するようで、その際の値が忠実にEXIFに記録されたようである。
iPhoneを横に傾けて撮影した場合、ホームボタンが右側にくるように真横に傾けた場合は方位角を+90度とする必要があり、逆にホームボタンが左側にくるように真横に傾けた場合は、-90度とする必要がある。といっても撮影時の方位角の情報を後で使うマニアックな人はいないかな・・・。
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