写真に位置情報を与える方法はいくつかあって,以前のエントリーでいくつか紹介した。そこで紹介したのは,Garmin等のGPS端末でトラッキングし続け,あとで撮影時間によって写真と関連付けてEXIFに書き込む方法である。他にも,事後的にソフトウェア上で位置を特定する方法や,ウェブサービスによって位置を特定する方法だった。携帯電話の写真については,以前からGPSつきの携帯電話で一手間かけながら位置情報を与えることが可能であり,それを活用したサービスも考えた(リンク)。そして,iPhoneの登場によって,携帯写真に位置情報を無意識的につけることが可能となった。
そして,今月になってカメラ大手のNikonがデジカメとGPSを連携させる方向に動きはじめた。8月上旬に,コンパクトデジカメのカテゴリに入ると思われるCOOLPIX P6000が発表され,GPSを内蔵するということで非常に驚いた。
ニコンデジタルカメラ「COOLPIX P6000」の発売について
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/2008/0807_p6000_02.htm
GPS(Global Positioning System : 全地球測位システム)を内蔵し、Geotag(写真が撮影された位置情報/緯度・経度[測地系:WGS-84])を画像に付加することができます。 ViewNX、「my Picturetown」において撮影した画像の位置情報と地図との連携をサポート、写真の閲覧・整理・保存において新たな楽しみを提供します。
コンパクトデジカメでGPS内蔵というデジカメはいままで登場していなかったのではないだろうか。以前,RICOHがGPS内蔵カメラを出していたが,工事現場等での使用を想定していた雰囲気がある(リンク)。しかし,P6000はそういう雰囲気ではなさそうだ。他にも,ランサーテクノロジーがGPSカメラを発売していたが(リンク),内蔵ではなくケーブルでの接続だった。
そしてさらに,D80の後継機であるD90の発表と同時に,Nikonの純正GPSユニットが発表され,D90の他,上位機種で使用可能となることが発表された。
ニコン、動画も撮影できるデジタル一眼レフカメラ「D90」発表--新レンズも
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/08/27/052/
撮影時の位置情報などを記録するGPSユニット「GP-1」が用意される。撮影時の緯度、経度、標高、日時が記録できる。地図情報と連携させて、画像つきのオリジナルマップ作成などが可能。「GP-1」はD90のほか、D3、D700、D300、D2シリーズ、D200でも使用できる。2008年11月発売予定。価格は未定。
使用イメージは,Nikonのウェブサイトで見ることができる。フラッシュの部分の上に取り付けるような形になるようだ(リンク,画像)。私はD80を所有しているので,このGPSユニットは使用できない可能性が高い。非常に残念である。
以前は,デジタル一眼レフとGPSを連携する方法は,Garmin等の別のGPS端末を専用ケーブルで接続する方法だった(リンク)。私自身は経験は無いが,2つのバッテリーを考慮する必要があることや,接続時の不具合等が発生しやすいと想定されるので,面倒な作業になることが想像できる。しかし,今回は純正であり,上部に取り付けることができるため,GPSユニットが邪魔にならない。また,純正なので,カメラのディスプレイで位置情報を確認したり,何らかの設定ができるかもしれない。そうなると,Garminで接続していたときと比べてかなり敷居が低く,手軽に写真に位置情報を付けることができるのではないだろうか。
というわけで,今後は他社もGPS内蔵のデジカメを発表し,カメラ+GPSがデフォルトとなるようにして欲しい。また,希望としては,位置情報が分かるようになるのだから,今度はデジタルコンパスによって撮影方位が分かるようになって欲しい。次はGPS+デジタルコンパス内蔵のデジカメの登場を期待したい。
前回のエントリでは,iPhoneのGPSの感想を述べたが,今回はAppStoreでアプリを利用して,GPSのトラッキングログの取得を試みた。私自身は,現地調査に行く際や,旅行に行く際に,GarminのGPSでトラッキングをとっており,後にデジカメで撮影した写真と時間を基に関連付ける作業を行う場合があることから,iPhoneを使ってGPSのトラッキングを試みたいと前々から思っていたのである。
GPSでトラッキングできるソフトウェアとしては,現時点(2008年8月24日現在)で3つあることを確認している。GPS Tracker(無料),GPS kit (1200円),iTrail(350円)である。
【2008年8月1626日追記】
Path Trackerというソフトもあるんですね(参考)。こちらも注目してみたいと思います。
GPS kitとiTrailは,よくあるハンディGPSとなっており,移動軌跡ログの取得,ウェイポイントの登録,速度,高度等が計測可能である。機能はGPS kitの方が多いらしいが,インターフェイスはGPS Trackerの方が良いというのが,ブログ界隈での印象となっている。一方,GPS Trackerは,ハンディGPSのような表示機能はないが,トラッキングに特化している。また,トラックのログは,アプリ提供会社のウェブサイトでユーザ登録することで,ログインページが作成され,アップロードされたログを閲覧したり,ダウンロードすることが可能となっている。というわけで今回は,トラッキングログをとる目的としたので,GPS kitと比較して値段が安いiTrail (Ver 1.3)と,GPS Tracker (Ver 1.0)を購入し,ログをとってみることにした。今回はこれらのソフトの使用レポートである。今回,車のダッシュボードにiPhoneを置いて,往復2時間のドライブを行った(自宅と慶應大学湘南藤沢キャンパスとの往復)。
- iTrail

iTrailは,イベントごとに軌跡(Trail)を分けて管理することができる。そのため,まず「New Trail」で新しい軌跡を作成することからはじめる。ファイル名と用途を選択する。作成できると,自動的にメイン画面に戻る。そして,startをタップすると,トラッキングを開始する。また,Settingのところで表示単位や位置を取得する頻度も変更できる。トラッキングしている様子は以下のような感じ。
緯度経度と標高が上段に表示され,その下にはトラッキング時間が表示されている。その下の段には速度と移動距離が表示されている。トラッキング中は速度が表示されるが,車の速度と比較してみると,だいたい合っていることは確認できた(車の速度メーターはアナログなので,厳密な比較はしてない。もちろん,運転中なので凝視はしていない)。そして,目的地に到着し,メイン画面のstopをタップしてトラッキングを終了させた。終了後,「My Trails」に移動すると,トラッキングログの情報を確認することができる。以下の図がその様子。
ここに,Speed graphとAltitude graphがあるが,速度の変化や標高の変化を移動距離ごと(要するに時系列)で確認できる。以下の図がそのグラフである。
また,Google Mapsとあるが,ここをタップするとGoogle Mapsが表示され,通ったルートが地図上にオーバーレイされるのだ。
Export Dataでは,Googleのアカウントを持っていれば,Google Docsにデータをアップロードしてくれる。形式はKMLとGPXの2種類である。Google Docsであれば共有もできるので,ローカルに保存するより便利かもしれない。
- GPS Tracker
![]()
GPS Trackerはどちらかというと,リアルタイムに現在位置を確認する用途を想定している。アプリ購入後は,配布元のウェブサイトでユーザ登録する必要がある。登録するとデバイスIDが配布されるので,その番号をiPhoneのGPS Trackerアプリのフォームへ入力する。そうすることで,トラッキングのログが3Gの回線で配布もとのサーバーへ送られ,ログが蓄積させることができるのだろう。GPS Trackerの画面はとてもシンプルである。
方位が分かるものの,距離の単位がフィート,速度の単位はマイルとなっていた。また,単位は変更できなかった。このソフトはログを3Gの回線で定期的にアップロードしているようだ。
ログをとったあと,先ほどのウェブサイトにログインすると,軌跡をGoogle Mapsで確認することができる。もちろん,データをエクスポートすることもできる。
さらに注目すべきところは,軌跡を公開することができるのだ。ブログに貼り付けることも想定しており,コードを貼り付けるだけで以下のような表示ができてしまう。また,APIもあるようなので,拡張性もありそうだ。
GPS tracking powered by InstaMapper.com
- まとめ
今回は,iPhone GPSと,iTrailとGPS Trackerというアプリを使ってトラッキングログの取得を試みた。iTrailは,トラッキング後に軌跡をiPhone上で地図と重ねて確認でき,Google DocsにKMLやGPXの形式でエクスポートが可能だった。一方,GPS TrackerはiPhoneアプリ上ではシンプルな表示だが,軌跡を定期的にサーバーにアップロードしており,リアルタイムで軌跡を把握することが容易な仕組みだった。また,APIに対応しており,ブログに貼り付け可能なコードもあるため,拡張性があることがわかった。
以前は,Garmin GPSのトラックログをカシミール3Dで接続し,ダウンロードしなければならなかった。iPhoneの登場によって,GPSでトラッキングログをとる敷居が非常に低くなったことを実感できた。また,2つのソフトは,トラッキングログを取得することは同じだが,それぞれの特徴を生かして,用途によって使い分けると良いと思われる。
iPhoneを使ってだいたい1ヶ月となる。iPhoneのGPSには期待していたわけなので(リンク),GPSについて感想を述べてみる。AppStoreのソフトウェアについては別エントリーで述べることにするので,今回は「マップ」のみの感想とする。また,他のブログで既出となっている内容が多いかもしれないが,自分へのメモや感想ということで了承をいただきたい。
空が開けていてもGPSによる測位ができないときがある
室内というわけではなく,空が開けている状態で測位しても,位置情報が取得できないことがある。これには,かなり悩んだ。今のところの解決としては,測位できるはずなのに測位できない場合,電源をオフにして再起動するとすんなり測位できる可能性が高い。できないときは本当にGPS衛星の位置が悪かったと諦めるしかない。
GPSによる測位の速度について
条件が良い場合,すぐにあっさりと位置情報を取得できる。Garminの数年前のGPSと測位の速さを隣に並べて比較してみたが,iPhoneの方が早かった。一度きりしか試していないので,どのくらい早いのかどうかは不明だが,測位の速度は従来の専用のGPS端末と比較しても遜色ないのではないかと思う。
室内でも位置情報が取得可能(ただし,場所による)
GPSで測位する場合,空が開けている状態でなければ,GPS衛星の電波を拾うことができないため測位ができない。しかし,室内でも測位できる場合がある。しかし,かなり精度は低く数百メートル程度である。これは,GPSではなく基地局による簡易位置情報と推測される。ただし,場所によっては測位ができない。私の場合,自宅ではこれによる測位はできない。しかし,駒場の大学の室内では測位ができる。これは,基地局の位置情報対応の有無によるのだろうか。この辺については,事情がわからない。
圏外でも単独によるGPSの測位が可能
先日,遠出をして標高の高いところに行った。山岳地なので,3Gの電波は当然のことながら入らなかった。従来の携帯電話の場合,圏外だとGPSによる測位はできなかった。しかし,試しに測位してみたところ,位置情報が取得できた。これには驚いた。ただし圏外なので,Google Mapsのレイヤは表示されなかったので,自分がどこにいるのかを地図からの文脈で判断することができなかった。ということは,地図を自前に用意できるようなアプリがあれば,圏外でもGPSが使い物になる可能性がある。また,ログをとるようなソフトには役に立つだろうと思う。
移動体に乗っているときに測位すると現在地が移動する
電車の窓の近くにiPhoneを置いて測位しておくと,数秒おきに現在地が移動していくのがわかる。特に,新幹線に乗った場合は,当然のことながら移動が早い。拡大しすぎていると,地図表示が間に合わなくなった。また,現在位置がマップの表示範囲を外となった場合,勝手に視点が移動してくれることはなく,自分で移動してあげる必要があった。
要望:GPSによる測位の状況が知りたい
現状では,iPhone GPSによる位置情報の取得がブラックボックスである。もちろん,ブラックボックスであることは意識しないで位置情報を取得可能という観点から重要だ。しかし,個人的にはある程度はGPS測位の状況を知りたい。GarminのGPSではGPSの配置が確認できる(例)。GPSは衛星の数と空での配置が重要となるので,測位が可能か不可能かを判断するためにも,こういう測位の状況を知る手段があるとうれしい。
とうとう,Google MapsのStreet Viewが日本に対応した。Google Mapsに「ストリートビュー」というレイヤーが登場し,カバーしている範囲が表示される。今のところ,札幌,函館,仙台,関東,大阪,神戸,京都,奈良が範囲のようだ。名古屋や福岡はまだのようだ。ただ,どんどん拡大して撮影しているようなので(リンク),範囲は順次拡大していくのだろう。私の住んでいる相模原は今回の公開範囲に入っており,自宅周辺をストリートビューで見ることができた。ベランダの洗濯物まで確認できてしまった。
午前8時半ころ,TwitterでGoogle Street Viewの開始を知り,小1時間見ていたのだが,整備してある道路の青い線が航空写真とかなりずれており,関西に至っては,海に青い線が引かれている状態となっていた。また,視点となる人形のアイコンが道路より外となっていて,どの道路のストリートビューなのかわからない場合もあった。しかし,夜になって修正されたことを確認した。当日に改善されるというのは,それはそれですごいことである。
先日,第2回ジオメディアサミットが開催され,Google Mapsの日本チームが参加していた。Googleのプレゼンのときの質問で,いつころサービスがはじまるのか,という質問があった。しかし,彼らは時期を明言しなかった。そのため,サービス開始は秋以降だろうと思っていたのだが,唐突にサービスが開始されたので,寝耳に水といった状況である。
今回のGoogleのStreet Viewによって,国内のストリートビューができるサービスは2つとなった。もう1つはLocation Viewである。第2回ジオメディアサミットでも紹介され,完成度はかなり高いという印象を持った。こちらは,アジア航測が撮影を行っているらしく,このLocation Viewの親会社(アイディーユー)がアジア航測と資本提携しているようだ。サミットでの話しを聞く限りでは,かなり消防など自治体向けに需要があるらしく,そちらの儲けで維持しているような印象を受けた。その辺はGoogleとはビジネスモデルが違っていて興味深い。Location Viewは,8月4日に範囲拡大を行っており,今後も拡充が期待される。
というわけで,国内は2つのストリートビューの時代となったわけだが,違いを見ていくことにしよう。同じストリートビューなのだが,アプローチが異なっている。
Location Viewの方は,「映像地図」ということもあり,車からの動画の撮影をサイト上に再現しようとしている点が特徴的である。Location Viewのサイトでは,右上に車が表示されている。そして,現在表示されている画面が,車のどの向きまたは方角であるのかを表示している。動画撮影を再現をしているため,もし撮影時の車の進行方向と逆に進みたい場合,車をバック(つまり動画を逆再生)させるように,ユーザが設定しなければならない。この辺はやや直感的ではない。利用者はその辺の制約は面倒に感じるだけである。
一方,Google Streer Viewは,人間の視点を想定して表現している。この点は,地図に表示されるアイコンが人間の人形であることからもわかる。Street Viewでは,ある一定間隔ごとに写真が撮影されており(撮影方向は11方向),Location Viewのような撮影した車の方向を考える必要はない。ただし,一部で撮影順序による影響で,つながっているはずの道路が回り道しなければならない場合があった。
というわけで,2つの違いについてみてきたが,どちらもブログに貼り付けられたり,URLでリンクが貼ることもできる。APIに関しては,将来的にGoogleが公開をはじめる可能性は高いが,Location Viewはやらない可能性が高い。拡張性や将来性はGoogleの方が上だろう。
今後,このサービスに関するプライバシーの問題は必ず付きまとうだろう。それでも,2つのストリートビューはそれぞれ特徴を出しつつ,日本全国を整備することを目標に,2大ストリートビューとして提供を続けて欲しい。
特にブログでは明らかにしていなかったが,iPhoneの白16GBを購入した。発売日の当日に思いつきで町田ヨドバシに並んでみたら,あっさりと整理券をゲット。ただ,手続きの混雑を避けるため,その日には手に入れられず,次の日に入手することができた。しかし,Simカードを認識せず,途方に暮れることに。次の日(日曜)に町田ヨドバシに電話したところ,在庫が無いから他をあたれと言われ,秋葉原ヨドバシに電話して在庫があることを確認し,秋葉原までわざわざ出向いて初期不良として新品に交換してもらった。その場でアクティベーションもしてもらい,無事に使えるようになったわけである。
iPhoneの使用レポートはいろいろなところで取り上げられているので,全般的なことは言及しないつもりだ。位置情報については,後日まとめて書きたいと考えている。今回は,天気関連に絞ってブログを書こうと思う。先に結論を言うと,「日本向けのWeatherbugのようなソフトが無いので作るべき」ということである。
iPhoneのネイティブアプリの天気情報
まず,iPhoneネイティブアプリの天気情報の印象を。このアプリの天気情報は,おそらく海外系の気象情報サイトから来ている。以前使っていたiPod touchでは,天気予報の表示画面の左下の「Y!」をタップして,詳細なサイトに移動できた。すると,海外のYahoo.comの天気情報のサイトに飛ばされた。現在は,Yahoo! Japanの気象情報サイトに飛ばされる。それはそれで良いのだが,ネイティブアプリは海外系の情報を取り込んでいるため,Yahoo! Japanの気象情報で発表されている天気予報との整合性が取れていない。そもそも表示する天気アイコンの表示方式が異なっており,違和感がある。アップルのネイティブアプリなので難しいとは思うが,改善を希望したい。
Yahooの天気情報
iPhoneのSafariのブックマークにはYahooがあり,iPhone用に最適化されたサイトへ飛ぶことができる。その中のコンテンツに天気情報があり,一部については,iPhone用に最適化されている。今日,明日,明後日の,全国天気,気温,降水確率については,iPhone用に最適化されている。各地の天気や天気図,台風情報などの情報へのリンク集についてもiPhone用に最適化されているが,そこから先は通常のサイトへ飛ばされる。せっかくなら,すべての情報について,iPhone用に最適化するべきであろう。
iPhoneでは東京アメッシュが見られない
夏のこの時期,多くの人が夕立を気にする。雨が降っていなくても,上流で雨が降れば川は増水し,危険な場合もある。そこで,リアルタイムで,雨雲の様子を把握することは重要である。東京都下水局の東京アメッシュでは,10分おきでタイムラグがほとんどなく,レーダーによる雨雲の様子を配信しており,詳細な雨の範囲を知る貴重な情報源である。しかし,Safariで対応していないのだ。そのため,Yahoo天気の雨雲レーダーをみなければいけないが,更新頻度が少なくタイムラグが大きいため,使い物にならない。
WeatherBugはインターフェイスが優秀
App storeには,天気のカテゴリがあり,天気系アプリがダウンロードまたは購入できる。種類は少ないのだが,WeatherBugはランキングは高く,フリーなのでインストールしてみた。画面は以下のような表示である。
Tokyoとなっているが,この場所は位置情報を使って自動的に決定してくれる。私は神奈川県在住で,自宅で設定したが,神奈川県でもTokyoとなった。しかも,詳しく見るとHanedaと書いてあり,羽田空港のようだ。しかも,温度は華氏表示,風速はノットである(注1:SafariでみるWeatherBugでは摂氏対応しているようだ。)(注2:近いうちにアップデートされて摂氏に対応する可能性がある→リンク)。また,画面下にRadarというのがあるが,これは日本には対応していない。温度や風向風速の下にAlertがあるが,気象庁の注意報や警報ではない。結局,海外の天気情報サイトからの情報であるため,日本の詳細な天気情報は十分に整備されていないのだ。
従って,WeatherBugのような国内向けの天気情報iPhoneアプリを開発するべきだろう。大きいディスプレイを生かして,WeatherBugに近いような,ひとつの画面から,必要な情報に簡単にアクセスできるようなインターフェイスが欲しい。また,位置情報を取得して,もっとも近いアメダスの最新の観測情報や気象情報を表示させるとか,雨雲レーダーの地図に自分のいる位置をプロットする等も可能だろう。落雷情報もあるとうれしいかな。
さらに,ソーシャル的な要素を入れて,twitterのようなシステムがあるとおもしろい。私はWeathetterというtwitterの天気関係ポストを拾うことを試みているが,これに位置情報を簡単に与えることができれば,自分の位置情報に近いところのポストを拾うことができれば,有効な天気情報となる。
大手気象情報会社ではなく,中小の気象会社で,アプリの値段は100~200円程度でいいので,天気情報用iPhoneアプリを開発して欲しいと個人的には思う。
7月は7冊読んだ。iPhoneの影響で,読書タイムである電車の移動時間が削られたが,なんとか7冊読んだ。
1.
日本林業調査会
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議定書やポスト京都に関連した森林の話題がまとめられており,関係者は必読の書である。
2.
国土地理院OBである著者の,測量とか地図に詳しい人間の観点からの,軽快な話。話の守備範囲は神話から最近の話まで,幅広い。
3.
ソフトバンククリエイティブ
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理想主義と現実主義
CO2と地球温暖化の問題を豊富なデータで分析した本
経済学的に真っ当な主張
データとその集計方法の脆弱性に迫る本温暖化問題に一辺倒な世の中にとって,こういう本は重要。温暖化対策にかけるコストで,もっと救える命があり,豊かにできるものもある。
4.
行政改革によって,意外と面積の大きい国有林がどうなるのか。森林政策系の学者たちの緊急提言。
5.
築地書館
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日本の森林について学ぶ人の必読書
森林から見た日本の歴史
昔々の森の話。これだけ人口密度の高い日本で,森林資源が枯渇してこなかったのか。古代から近代までの日本における森林が,どのように扱われきたのか,一次資料を基に明らかにした研究。
6.
講談社
売り上げランキング: 261

これからのウェブの将来性に期待させられる本です!Web3.0の方向性。
7.
実業之日本社
売り上げランキング: 3188

地理学習の発展版いろいろな地理関連の雑学系のより集め。
米国のロックバンドであるレディオヘッドのプロモーションビデオ(以下PV)に,レーザーを使った最新の測量技術が使用されているようだ。
レディオヘッドが「ライトもカメラも使わない」実写ビデオ公開 (IT media)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/15/news026.html
通常のビデオ撮影にはカメラとライトを使うものだが、このビデオクリップでは、レーザー光線による3Dスキャンを行い、収集した3Dデータからビデオ化した。
米Velodyneのレーザースキャナ装置により、64本のレーザー光線が1分間に900回、360度にわたってスキャンし、そのデータを米Geometric Informaticsが3D化した。
ビデオはGoogleの以下のサイトにて,PVとメイキングビデオの2本の動画が公開されている。
RA DIOHEA_D / HOU SE OF_C ARDS
http://code.google.com/creative/radiohead/
このようなレーザースキャナー装置は,主に斜面や構造物の詳細な3次元形状を測量するために用いられる。地上型レーザースキャナ,または地上型レーザ測量と呼ばれる。地上だけでなく,航空機に搭載するレーザースキャナーもある(私は航空機のほうのレーザスキャナを用いた研究を行っている)。
仕組みとしては,レーザースキャナ装置から,1秒間に数千発のレーザーがパルスとなって周辺にたくさん照射される。そのパルスが地物に反射して装置まで戻ってくる時間を計測し,時間から遠近を把握する。そして,各パルスがどの角度や方向に照射されたのかを把握しておく。そうすることで,装置からレーザーが照射可能な範囲において,詳細な3次元形状が再現できるのだ。
さらに,ずっと装置からパルスを照射し続けてデータを取得し,動画のように見せているところが非常に興味深い。特にPVの最初のあたりで顔の形状が表現されているところである。測量では,同じ対象を長時間にわたってパルスを照射することあまりないだろう。というのも,動くものは測量の対象とはならないからである。ほかにも,装置自身をぶれさせて移動させて取得した形状を乱れさせたり,水の膜を用意してパルスを反射させなくしたりと,測量での用途では考えられない使い方をして遊んでいることも,とても興味深い。
レーザースキャナー装置の用途して主流になるとは考えられないが,こういう使い方を着想する柔軟さや,目の付け所の良さに感心する次第である。
最も国民の認知度の高い衛星である気象衛星「ひまわり」の後継機の予算を確保する見通しが立っていないらしい。
気象衛星が消滅の危機、「ひまわり」後継機に予算集まらず(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080705-OYT1T00454.htm
気象庁が6~8年後に打ち上げを予定している気象衛星「ひまわり」後継機2基の調達の見通しが立たず、30年以上も日本の空を宇宙から見守ってきた気象衛星が消えてしまうかもしれない事態に直面している。
現行2基の予算の7割を分担した国土交通省航空局が計画から外れることになったため、管理運用を含め1基400億円とされる予算の確保が気象庁だけでは難しいためだ。
以前,気象庁が考えている次期気象衛星についてエントリを書いた。やや批判気味に書いたのだが,民間の力を利用するという考えだったので,気象庁には予算が無いということは良くわかっていた。そして,本当に予算が確保できていないようだ。
以下に,いくつかの雑感を列挙する。
(1) 気象衛星は最も役に立った地球観測衛星である
一機400億円かかるとか,予算が取れる取れないは別にして,これまでの地球観測衛星の中で気象衛星はも最も役に立ってきた地球観測衛星の1つである。日本では,気象衛星の打ち上げ前は台風の接近の予想は富士山レーダー(1999年廃止)に頼るしかなかったが,気象衛星によって,はるか南の台風の発生をいち早く察知し,台風の進路の予測の精度が向上した。防災面での貢献は多大なものがある。
それだけでなく,数値予報へのインプットデータとしての貢献,気象現象の解釈にも使用される。世界的には,世界気象機関(WMO)が実施している世界気象監視計画へ参加しており,国際貢献にもなっている。
(2) 極軌道衛星は気象衛星の代替にはならない
最近は,だいち(ALOS)や,高分解能衛星写真を目にする機会が多くなっている。しかし,このような画像を撮影する衛星は極軌道である。気象衛星は静止軌道であるため,観測方法が全く異なっている。極軌道の場合は,地球の回りを回っているため,気象衛星のように一時間や30分に1度のような高頻度の撮影はできない。
(3) このタイミングには何か裏がある?
国の予算のことは詳しく知らないが,All aboutによると,来年度の予算の動きが始まるのが5月くらいのようだ。
概算要求、補正予算、復活折衝・・専門用語を解説! 予算についての基礎知識 (All about)
http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20010904/index.htm
各省庁の各局の各「課」が、来年欲しい予算をまとめ、各局の予算関係を仕切る「総務課」に要求します。これが5月末くらいまで。総務課はこれをもとに局の予算要求をまとめ、各省庁の予算関係を仕切る「官房予算関係課(会計課)」に提出します。これは6月末くらいまで。これをもとに、各省庁が予算の要求を財務省にするのが8月末から9月あたまくらいまでです(これを概算要求といいます)。
この記事によると,5月から6月にかけては省庁内で予算要求が決まってくる時期である。気象庁は外局なので国土交通省との予算の関係がよくわからないが,国土交通省内での折衝か,財務省での折衝でうまくいっていないのだろうか。そのため,リークによる先制攻撃で予算獲得を有利に進める狙いがあるのかもしれない。洞爺湖サミットの主要テーマの1つに気候変動があるので,この記事が出るタイミングが良すぎる。
まさか,気象衛星が必要ないと考えている役人はいないと思う(そうあってほしい)ので,何か裏があるような気がしている。
(4) とにかく気象庁はこれから正念場
過去のひまわりの打ち上げの経緯を見ると,技術試験衛星であったり,運輸多目的衛星だったりと,現業では衛星画像自体は使われているが,単独で現業を目的とした気象衛星の打ち上げについては,行われていないのだ。
ひまわり8号に迫る危機 (MTSAT打ち上げを追う!)
http://mtsat.air-nifty.com/news/2008/02/8_0464.html
* ひまわり1号~2号:科学技術試験衛星だったため、科学技術庁が経費を100%負担(気象庁ゼロ%)
* ひまわり3号~5号:科学技術衛星だっため、科学技術庁が40-25%負担(気象庁60-75%)
* ひまわり6号~7号:運輸多目的衛星だったため、航空局が70%負担(気象庁30%)
今後の衛星は,国土交通省航空局が計画から外れ,技術試験衛星でもないということである。つまり,現業として気象庁が継続性を持って気象衛星を打ち上げる時期が訪れた,という解釈ができる。いろいろと水面下の攻防がありそうだが,とにかく気象庁は正念場を迎えているといえる。
関連記事
気象庁が考える次期気象衛星
7月になって地球観測衛星の話題が多く上がってきている。米国政府の商用高分解能衛星買取や,ウェザーニューズの小型地球観測衛星計画など。そして,JAXAから地球観測衛星だいち(ALOS)の(ほぼ)後継の話が出てきた。
JAXA:「災害監視衛星」打ち上げへ 風水害に対応 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20080705k0000m040083000c.html
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4日、大規模災害の被災状況を迅速に把握するため、2012年度に「災害監視衛星」を打ち上げる計画を、文部科学省宇宙開発委員会の部会で表明した。
JAXAの構想によると、可視光や赤外線などの光学センサーを搭載した光学衛星と、曇天や夜間でも観測できるレーダー衛星のペアで構成。日本に多い風水害に対応するため、悪天候でも観測できるレーダー衛星を最初に打ち上げる。
レーダー衛星の地上分解能は1~3メートルで、現在、災害時の観測に使われている地球観測衛星「だいち」のレーダーの数倍細かな物まで観測できる。また、データ処理速度も向上させ、受信から情報提供までの時間も現在の3時間から1時間以内に早める。
開発費は、地上の受信設備なども含め約292億円を見込んでいる。
2機の運用で,合成開口レーダ,光学の順に打ち上げるようだ。だいちが行っている,被災地域の撮影&データ提供が実績として評価されているのだろうか。だいちの成果については,JAXAのサイトで以下のような資料がある。
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の成果
http://www.jaxa.jp/press/2008/07/20080701_sac_daichi_j.html
災害と言っても平常時が多いわけで,ALOSの後継機としてこの手の高解像度衛星画像が継続的にうちげられることは重要である。無事に打ち上げが認められることを期待したい。
ただし,別の衛星については,継続性が絶たれるピンチとなっている。それは次のエントリーで。
関連記事
気象情報会社ウェザーニューズが小型地球観測衛星打ち上げ計画を発表
商用地球観測衛星を軍用のスパイ衛星として買い上げを検討 (アメリカ)
最大手の気象情報会社であるウェザーニューズが,小型衛星を打ち上げる計画を発表した。温室効果ガスや海氷を観測するという興味深い計画である。
世界初!サポーターとともに実現する衛星 (ウェザーニューズ プレスリリース)
http://weathernews.com/jp/c/press/2008/080703.html
気候変動や地球温暖化に対する取り組みのひとつとして、超小型感測衛星「WNI衛星(仮称)」を2010年に打ち上げ、温暖化の原因となる温室効果ガスや、温暖化によって減少し続けている北極海の海氷などを企業や一般サポーターとともに感測するプロジェクトを開始します。本プロジェクトは、東京大学、千葉大学、アクセルスペース(※2)とともに研究・開発を進めており、従来の衛星では成し得なかった超小型衛星によるデータ感測を目指します。極域の画像を撮影し海氷を解析するとともに、衛星と世界各地に設置した感測機の間でのレーザー光の減衰を評価することで温室効果ガスを感測する斬新な方法を試みます。
興味深い理由としては,一般企業が計画する地球観測衛星であること,小型衛星であること,温室効果ガスの計測方法,参加型であること,が挙げられる。
(1) 一般企業が計画する地球観測衛星であり,衛星のみで儲けようと考えていない(?)ところ
地球観測衛星は,宇宙機関が打ち上げる場合と,一般企業が衛星写真の販売用として打ち上げる衛星,の2種類がある。前者だとNASAのLandsat,NASAと経産省のASTER等があるが,JAXAのだいち(ALOS)もこのカテゴリに入る。後者としては,GeoeyeのIKONOSやDigitalGlobeのQuickBirdやWorldView-1がある。プレスリリースを見る限りでは,観測データそのもので収益を得ようという雰囲気は伝わってこない。衛星のみで収益を得ようとしてないのであれば,それは低コストの小型衛星だからこそである。
(2) 小型衛星であること
小型衛星であることで,JAXAやNASAが打ち上げる衛星よりもはるかに低コストである。そうなると,もちろん失敗する可能性も高いかもしれない。ただ,失敗しても金銭的な損失は軽くて済むことになる。
また,プロジェクトにかかわる大学と企業に注目したい。特に,東大の中須賀研究室がかかわっている。中須賀教授は,小型衛星の打ち上げおよび運用の第一人者である。つまり,それなりにノウハウを持ったところとウェザーニューズは組んだことになり,衛星のプロジェクトを0からはじめる場合と比較して,開発は短期間で済み,成功の可能性も高いだろう。
(3) 温室効果ガスの計測方法
従来の地球観測衛星では,網羅的に地表面または大気を観測するのが普通である。しかし,この小型衛星では,観測のためには地上に機器を設置する必要があるらしい。この方法の原理がわからないので,精度がどのくらい出るのかが未知数である。しかし明らかなことは,地球温暖化の温室効果ガスの増加を議論するためには,網羅的な観測が必要不可欠であるため,機器の数と機器の分布が重要となる。ただ,低コストでそれなりの精度で温室効果ガスが計測可能というのであれば,従来の地上観測の点数と比べれば多くなるため,それはそれで有効な手段である。
(4) 参加型
温室効果ガスの計測のためには地上に機器を設置する必要があることを述べたが,これには機器の設置に賛同する人が大勢必要であることは言うまでもない。そこを企業・学校・一般サポーターによる「参加型」とすることで,機器の数を稼ぐ計画のようだ。参加者は,もちろん機器のコストがゼロに近いことが望ましいだろう。
地球観測衛星の計測に参加型を組み合わせるというのは,はじめてのアプローチであろう。トップダウンの衛星による観測と,ボトムアップの計測を繋ぐ新しい試みといえる。
まとめ
今までの地球観測衛星は,トップダウン的で最大公約数な機能を持った衛星が多かった。しかし,低コストな小型衛星が主流になれば,特定の目的のために必要な地球観測衛星が計画され,運用される可能性が高くなる。そうなると,リモートセンシングの分野は次のステージに進むことができるのではないだろうか。








