2006年11月アーカイブ

残念ながらALOSの衛星画像がGoogle Earthに公開されているわけではありません。ですが,ALOS自身はGoogle Earthに表示できます。

Advanced Land Observing Satellite "Daichi" (ALOS) 作成者SeaGate

これは,フリーでGoogleから公開されているSketch Upで作れるようです。Google 3Dギャラリーには,いろいろな3次元モデルが公開されているようです。

ついでに,ロケットも。

H-IIA Launch Vehicle 作成者 SeaGate

作成者の方のブログでは,これらの作品を含め,3Dモデルがたくさん紹介されています。人工衛星の軌道上には置けず,ALOSは大阪城の真上に置かれたようです。

佐呂間町で発生した竜巻をもたらした積乱雲の再現実験(雲解像モデルによる)においてスーパーセルを確認(気象庁報道発表資料)
http://www.jma.go.jp/jma/press/0611/17a/mri20061117.html

気象研究所では集中豪雨や竜巻などの顕著な大気現象を解明するために雲解像モデルの開発を行っています。その雲解像モデルを用いて、11月7日に佐呂間町で発生した竜巻をもたらした積乱雲の再現に成功しました。再現された積乱雲は、対となった強い上昇流域と下降流域を伴うといったスーパーセルの特徴を持っていました。佐呂間町で発生した竜巻はそのスーパーセルに伴って発生したと考えられます。

スーパーセルについては,こちらにも資料があります。とにかく,普通なら上昇気流→下降気流で積乱雲は短い時間で消滅しますが,マルチセルやスーパーセルになると,上昇気流と下降気流が同時に起きているので,持続するわけですね。さらに,スーパーセルになると,さらに上昇気流と下降気流が活発なので,雨滴が下降したり上昇したりを繰り返して,雹ができたり,何らかの作用で竜巻を生成する要因になるようです。

気象庁の報道資料によると,250mによるシミュレーションによる再現によると,発生位置は東に10kmずれてしまったとのことですが,再現できたとのこと。もちろん,再現なので予測とは違いますし,現業として250mでシミュレーションを行うのは計算機が追いつかないでしょう。それでも,気象研及び気象庁の取り組みをアピールするのには,良いタイミングだったと言えるでしょう。遅すぎると,一般へのインパクトが薄まります。

網走や奥尻島で竜巻が発生しましたが,現時点では竜巻の発生する場所や時間の予測は無理でしょう。それに関して,気象庁は竜巻の予報システムの開発を検討しているようです。

竜巻予測10分ごと 新システム構築 09年度始動 気象庁(2006年11月12日北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061112&j=0022&k=200611115371

網走管内佐呂間町や奥尻島などで竜巻災害が相次ぐ中、気象庁は二○○七年度から、竜巻の予報システムづくりに乗り出す。竜巻は短時間で発生、消滅することから予報は困難とされてきたが、国内の既存のレーダー三十二カ所を利用し、竜巻の発生源となる積乱雲の動きなどを十分ごとに予測する新技術の開発を目指す。発生の一時間前には発生の危険性が高い「警戒区域」を知らせることで、防災に役立てる考えだ。

 竜巻は過去の観測データがない上、発生時間が極めて短いことを理由に予報システムがない。新技術では二十カ所の一般気象レーダーのほか、雲の中の雨や風の向き、強さなどを詳しく測定できるドップラーレーダーを利用。積乱雲を含む雨雲の風速や風向、雲の水分密度などを観測し、観測地点のデータを突き合わせることで、一時間先の雲の位置や発達具合を十分ごとに予測するシステムを構築する予定だ。

 ドップラーレーダーは現在、新千歳空港など道内外の八空港と道外の四気象台にしか設置されていないが、冬柴鉄三国土交通相は札幌、函館、釧路を含む全国十五カ所への早期配備を気象庁に指示しており、設置数が増えれば予測の精度も高まるという。

 この予測を基に、竜巻などの気象現象が起きそうな警戒区域を知らせる。警戒区域は、従来の気象警報や注意報の発表区域より狭い範囲になる見込み。当面、情報の提供先は行政機関や鉄道会社、電力会社などに限り、将来的には報道機関を通して一般にも情報提供していく考え。

ドップラーレーダーの配備数を増やそうという計画のようです。ドップラーレーダーは主に空港に配備されています。

空港気象ドップラーレーダー(中部航空地方気象台)
http://www.tokyo-jma.go.jp/home/chubu/draw.htm

ドップラーレーダーがたくさん配備されることで,ウィンドシアなどの風の流れも把握できるようになり,広い範囲でかつ面的に詳細な情報が得られるようになるでしょう。ただ,これだけでは現象把握に過ぎません。突風系の被害は空間及び時間スケールが小さいので,現象を把握したとしても,警戒を呼びかける前に現象が既に終わっているでしょう。発生の一時間前にはアラートを出すといいますが,一時間もあれば新しい積乱雲はいくらでも発生します。ドップラーレーダーと予測をどうやって結びつけるのか,今後の情報を待ちたいと思います。

また,竜巻だけの予報システムにするのでしょうか。もちろん,竜巻はインパクトや被害は大きいものの,発生数がそれほど多くない現象ですから,空振り多発のシステムで有効活用されないのではないでしょうか。

結局のところ,こういう竜巻や突風は,発達した「積乱雲」の下で起きる現象です。もちろん,落雷や局地的な強雨の可能性もあります。つまり,視点を少し変えて広く捉え,発達した積乱雲の空間スケールと時間スケールを細かく正確に把握,そして情報を伝達するシステムの構築を目指す,としたほうが,積乱雲下で起きる災害も考慮した意義のあるシステムになるのではないかと考えられます。

情報の伝達システムという面で考えると,発達した積乱雲が到達する恐れのある住民や,その場にいる人たちに,いかに迅速に伝えるのかが重要になるのかなと思います。時間スケールや空間スケールを考えると,やはりGPS+携帯電話を生かすことができそうですね。

きのうに引き続き,MSのLive searchの地図の話題です。今回は航空写真に注目してみました。まずは2つの航空写真を比較してみましょう。場所は新宿副都心です。

・MSのLive searchの航空写真地図

・Google Mapsの航空写真地図

3つのビルがあります。東から,「新宿住友ビル」,「新宿三井ビル」,「新宿センタービル」が並んでいます。この3つのビルを,それぞれの航空写真で比較してみてください。どんな所に違いがあるでしょうか。

それは,建物の壁面が見えているかどうかです。Google Mapsのほうは壁面が見えています。しかし,Live searchの方は見えていません。実は,Live searchの写真はトゥルーオルソといって,地形のみならず建物などの地物も,厳密に正射投影(どの地点においても,真上から見ているように平面に投影している状態)しているのです。トゥルーオルソを作るのは,非常に大変で労力が必要です。

さて,どこの会社がこのトゥルーオルソ写真を作ったのかというと,地図画面の右下には,航空写真の著作権が表示されています。Live searchではPascoと書いてあります(最大ズームではMicrosoftしか表示されませんが,一段階縮小すると,Pascoも表示されます)。というわけで,パスコが撮影したようです(都心以外はわかりません)。もちろん,パン屋ではありません。航空測量の最大手です。

パスコでは,マルチラインセンサシステムという新しい航空写真の技術を採用しています。従来の正方形のワンショットの航空写真をたくさん撮影するのではなく,スキャンしていく感じでデータを取得しています。このような技術を使って,精度の高いトゥルーオルソを作成している可能性が高そうです。もちろん,これを完全自動で作成するのは難しいと考えられるので,それなりの労力をかけている部分はあるだろうと思います。

Google Mapsの空中写真は,従来の撮影方法と同じ物なのではないかと推測されます。ただ,都心部の航空写真は周辺減光が無いことなどから,フィルムを使ったアナログの写真ではなく,最初からデジタルカメラを使用しているのではないかと推測されます。ちなみに,Google Mapsは都心部はデジタルアーステクノロジー社の航空写真のようです。

なんかパスコの宣伝になった気がしますね。

MS、Virtual Earthにリアルな3D地図を追加 (IT media)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/07/news030.html

米Microsoftは11月6日、検索サービス「Live Search」内の地図情報に、建物を3D表示できる機能を追加した「Virtual Earth 3D」を開始すると発表した。実際の建物の写真を元に作成した3D画像を組み入れることで、「よりリアルな」地図を実現したという。

記事の写真によると,建物の壁面がちゃんと描かれています。Google Earthは箱だけだったので,こちらの方がよりリアルといえます。ただ,建物の壁面のデータまで作るとなると,整備するのに手間がかかるでしょう。全国を整備するのは困難ですね。

現時点でこの3D機能には日本からアクセスできないようだが、日本のユーザーにはフルにローカライズされたVirtual Earthが本日から提供開始された。

先ほどIE6からアクセスしてみましたが,サンフランシスコやシカゴなども3次元表示してくれませんでした。なぜ,日本から見ることができないのか意味不明です。早く日本で3次元が見たいですね。

MS、「Live Search」日本語版に地図検索機能を追加 (CNET Japan)
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20304047,00.htm

日本版も本格始動しました。いろいろといじっていますが,気になる点が。地図画面左上に地図と航空写真の切り替えや,縮尺の変更ができるウィンドウがあります。そこの+と-で1段階縮尺を変更できるのですが,縮尺バーとの境界が明確ではなく,間違えてつまみの方をクリックしてしまって,突然全世界が表示されたりしてびっくりしました・・・。

一応,地名を検索すると,地図画面の右上に「スクラッチパッド」というのが登場します。IEだと,ラインやポリゴンが描画できます。色も変えられるようで,これはGoogle Mapsにはデフォルトではこういう機能は付いてないですね。

Google Mapsと比較したいのが,地図そのもの。どちらもゼンリンですが,見た目が全然違います。Googleはゼンリン地図のデータから,自分で描画したようです。

Google Mapsの美麗地図はデータのみZENRIN、描画はGoogle (ここギコ!様より)
http://kokogiko.net/m/archives/001794.html

ZENRINがベクトルデータのシェープファイルだけを提供したのを元に、Googleが描画したもののようです。

残念ながら,このLive Searchの地図の描画が,Microsoft自身によって行われたのかどうかは不明です・・・。

Google mapsの地図は,縮尺によっては,描画する道路が不適切に選択されているような気がします。なので,色使いとか綺麗さという点ではGoogle mapsに軍配が上がりますが,Live Searchの地図の方が,個人的には,適した表現がなされている印象がします。