- 2006年11月12日 22:33
- 天気
網走や奥尻島で竜巻が発生しましたが,現時点では竜巻の発生する場所や時間の予測は無理でしょう。それに関して,気象庁は竜巻の予報システムの開発を検討しているようです。
竜巻予測10分ごと 新システム構築 09年度始動 気象庁(2006年11月12日北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061112&j=0022&k=200611115371
網走管内佐呂間町や奥尻島などで竜巻災害が相次ぐ中、気象庁は二○○七年度から、竜巻の予報システムづくりに乗り出す。竜巻は短時間で発生、消滅することから予報は困難とされてきたが、国内の既存のレーダー三十二カ所を利用し、竜巻の発生源となる積乱雲の動きなどを十分ごとに予測する新技術の開発を目指す。発生の一時間前には発生の危険性が高い「警戒区域」を知らせることで、防災に役立てる考えだ。竜巻は過去の観測データがない上、発生時間が極めて短いことを理由に予報システムがない。新技術では二十カ所の一般気象レーダーのほか、雲の中の雨や風の向き、強さなどを詳しく測定できるドップラーレーダーを利用。積乱雲を含む雨雲の風速や風向、雲の水分密度などを観測し、観測地点のデータを突き合わせることで、一時間先の雲の位置や発達具合を十分ごとに予測するシステムを構築する予定だ。
ドップラーレーダーは現在、新千歳空港など道内外の八空港と道外の四気象台にしか設置されていないが、冬柴鉄三国土交通相は札幌、函館、釧路を含む全国十五カ所への早期配備を気象庁に指示しており、設置数が増えれば予測の精度も高まるという。
この予測を基に、竜巻などの気象現象が起きそうな警戒区域を知らせる。警戒区域は、従来の気象警報や注意報の発表区域より狭い範囲になる見込み。当面、情報の提供先は行政機関や鉄道会社、電力会社などに限り、将来的には報道機関を通して一般にも情報提供していく考え。
ドップラーレーダーの配備数を増やそうという計画のようです。ドップラーレーダーは主に空港に配備されています。
空港気象ドップラーレーダー(中部航空地方気象台)
http://www.tokyo-jma.go.jp/home/chubu/draw.htm
ドップラーレーダーがたくさん配備されることで,ウィンドシアなどの風の流れも把握できるようになり,広い範囲でかつ面的に詳細な情報が得られるようになるでしょう。ただ,これだけでは現象把握に過ぎません。突風系の被害は空間及び時間スケールが小さいので,現象を把握したとしても,警戒を呼びかける前に現象が既に終わっているでしょう。発生の一時間前にはアラートを出すといいますが,一時間もあれば新しい積乱雲はいくらでも発生します。ドップラーレーダーと予測をどうやって結びつけるのか,今後の情報を待ちたいと思います。
また,竜巻だけの予報システムにするのでしょうか。もちろん,竜巻はインパクトや被害は大きいものの,発生数がそれほど多くない現象ですから,空振り多発のシステムで有効活用されないのではないでしょうか。
結局のところ,こういう竜巻や突風は,発達した「積乱雲」の下で起きる現象です。もちろん,落雷や局地的な強雨の可能性もあります。つまり,視点を少し変えて広く捉え,発達した積乱雲の空間スケールと時間スケールを細かく正確に把握,そして情報を伝達するシステムの構築を目指す,としたほうが,積乱雲下で起きる災害も考慮した意義のあるシステムになるのではないかと考えられます。
情報の伝達システムという面で考えると,発達した積乱雲が到達する恐れのある住民や,その場にいる人たちに,いかに迅速に伝えるのかが重要になるのかなと思います。時間スケールや空間スケールを考えると,やはりGPS+携帯電話を生かすことができそうですね。
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