2007年1月アーカイブ

先日,伊勢丹相模大野店の日本酒売り場で日本酒を購入。日本酒の久保田という銘柄が有名な朝日酒造さんの「参拾弐 神童」です。この商品は,A・D・O(全日本デパートメントストアーズ開発機構)との共同開発製品らしいです。この商品,原料の米の管理に衛星画像を活用しています。


↓以下パッケージの内容


sake1.jpg

米の生産は多くの自然条件に左右され,高品質を維持する事は容易ではありません。このため稲の生育状況の情報把握は,品質維持にとって重要な要素になっています。JA越後さんとうでは衛星リモート・センシング技術を用いて,広域農地を画像情報として観測し,ピンポイントな技術指導によりさらなる高品質米生産を目指しています。


sake2.jpg

衛星画像では圃場内の土地の生産能力まで色で確認できます。米の食味を左右するたんぱく含有率が低いことが望ましく,マップ上では青色が強く表示されます。「神童」では白枠で囲った田圃の米を使用しています。


パッケージの内容終わり↑


この図はIKONOSのNDVI(正規化植生指数)のようですね。蛋白質と衛星画像の関係については,


北海道立中央農業試験場 安積大治氏 「リモートセンシング技術を利用した高品質農作物生産」 平成17年度衛星リモートセンシング推進委員会農林業ワークショップ予稿集資料
http://www.restec.or.jp/eeoc/wsshiryou/agf17_wspdf/04.pdf


にて詳しく説明があります。NDVIと蛋白質には相関があるようです。


高解像度衛星画像はデータ取得に多大なコストがかかります。ですが,新潟のような米どころで,ブランド米になっているようなところでは,衛星画像による管理によって味が保障されているのであれば,十分にもとがとれるのかもしれません。ただし,適切な時期に撮影できるのかという問題があります。また,圃場の面積を考えると,マルチスペクトルの解像度が10mのALOSだとちょっと粗い気がしますね。


ただし,撮影日が2004年なので,IKONOSに撮影されている米そのものがお酒になっているとは考えにくいですね。とにかく,衛星画像が実利用されていることを発見し,ちょっとうれしくなりました。お酒の味ですが,非常に芳醇な香りでフルーティーでした。

今年は,冬場の気温が高いことが原因で,黄砂が日本に影響を及ぼす回数が多くなる可能性があります。


北京:早春から大規模黄砂が多発の可能性高まる (中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0122&f=national_0122_003.shtml

北京市環境保護局の史捍民局長は22日までに、今年は黄砂に見舞われる日数が多くなる見込みと述べた。降雪量が少ないためで、2006年の17回を上回る可能性がある。史局長によると、黄砂の発生を抑えるには年間で10数回の大規模な降雪があればよいが、この冬は各地で暖冬少雪が続いており、強い風が発生しがちな早春からは大規模な黄砂現象が発生する可能性が高い。


気象庁には,気象観測(観測者)による黄砂の観測日数の経年変化が紹介されています。それほど明瞭に日数の増加はないようです。だいぶ昔から黄砂は来てたようですね。


黄砂観測のべ日数 (気象庁)
http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/kosahp/kosa_table_0.html


温暖化するという予測がもし当たれば,降雪量が少なくなる可能性が高いでしょう。なので,大陸の土地劣化&砂漠化+降雪量現象によって,日本にやってくる黄砂の量が多くなることが予想されます。


黄砂の観測の話ですが,衛星画像だとNASAのEO Newsroomにて日本を覆う黄砂が紹介されています。


Dust over Japan (NASA, EO Newsroom)
http://earthobservatory.nasa.gov/Newsroom/NewImages/images.php3?img_id=17249


リアルタイムの観測ですと,気象庁が黄砂情報で公開してます。また,国立環境研究所が,ライダーモニタリングシステムを構築しています。これらのデータは点のデータですが,衛星画像などとうまく組み合わせて,面的に黄砂をモニタリングし,アラートを出していけるようになると,おもいしろいなあと思っています。

Japanese Government Initiates Space-Borne Hyperspectral Payload Program (Spacemart)
http://www.spacemart.com/reports/Japanese_Government_Initiates_Space_Borne_Hyperspectral_Payload_Program_999.html

 
09年に地球観測衛星 民間5社発表、商用で国内初 (朝日新聞)
http://www.asahi.com/special/space/TKY200408090341.html

今回の衛星には世界初の高性能センサーを搭載。従来は色や形によって観測対象を判別していたのに対し、対象物の材質まで見分けられる。鉱物資源の分布や海中の海藻の生息密度、樹木が根腐れしていないかどうかなどの情報も分かる。塗装で周囲と同色にした物体も識別できるので、安全保障の用途にも利用できるという。


経産省が予算を出す地球観測衛星だそうです。ASTERの後継機のようです。伊藤忠やイメージワン,JSATが出資するワールドスペクトラムという会社が地球観測衛星ビジネスを展開する計画であり,それにお金を出すと言う形なのでしょう。


着目したい点は,高解像度衛星画像と,ハイパースペクトルセンサから得られる衛星画像を組み合わせるということ。朝日新聞は衛星は2基と書いてますが,Spacemartでは明示的に2基とは書いて無いような気がします。どんな衛星にするのかについては,ワールドスペクトラムの関係者が次のように述べています。


地球観測特別部会(第6回)議事録・配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/gijiroku/h17/chikyu06.htm

ハイパースペクトラルセンサの分解能が10メートルとあまり高くないため、分解能10メートルを擬似的により高い分解能にするために、パンクロマティックセンサと掛け合わせ、パンシャープンという形で擬似的に2.5メートル、5メートルの情報をつくり出す。


2つのセンサを組み合わせて,擬似的に高空間解像度マルチスペクトル画像を作成する計画があるようです(地球観測特別部会ではパンクロ(白黒)と言ってますが,最新情報のSpacemartではマルチスペクトルと記載しています)。


日本初の商用衛星という点,かつハイパースペクトルセンサを搭載するということで,ハードルが2つあると考えられます。ALOSは官が打ち上げて衛星センサですが,一般に安く販売していることを考えると,高解像度という点では,プロダクトが競合しないか心配です(まあ,ALOS運用終了後に登場でしょうけど)。また,ハイパースペクトルはデータ量が非常に多くなると言う点で,扱いにくいと考えられます。どこまでユーザを開拓できるのかがポイントとなるでしょう。

予報用語というのは,気象情報で使う言葉を,気象庁が明確に定義したものです。統一した用語を定め,情報を受ける側が混乱しないようにするためです。報道機関も予報用語を参照し,記事を書いたりしています。自分もそういう所でバイトしてた頃,緑色のファイルの「予報用語」を確認することもありました。で,この予報用語は気象庁のサイトで公開されています。


気象庁|予報用語
http://www.kishou.go.jp/know/yougo_hp/mokuji.html

天気予報や注意報・警報など気象庁が発表する各種情報は、電話、ラジオによる音声を主体にしたもの、テレビ、FAX、インターネットによる画像・文字を主体にしたものと多様化しています。
 このように様々な形で提供される天気予報などが誰にでも正確に伝わるよう、気象庁では報道機関などのご意見を伺いながら、天気予報などに使う予報用語を定めています。


その予報用語が,改正されるとのことです。


気象庁「猛暑日」を新設、8年ぶり予報用語改正へ (日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070111AT1G1100Y11012007.html

気象庁は天気予報などに使う用語を8年ぶりに改正することを決めた。自然災害の多様化や新しい観測技術の導入に対応するためで、気温35度以上の「猛暑日」の新設や竜巻の強さを示す「藤田スケール」の追加などの改正案をまとめた。


「猛暑日」は,ウェザーマップの森田氏が「酷暑日」として,昔から提唱していたようですし(リンク),「藤田スケール」は,新聞とかテレビで結構と頻繁に登場していた印象があります。それなのに,気象庁が一般の「ニーズに合わせて」という理由で,あとづけのような形でお墨付きを与えるのは,あまり意味が無いように思います。


予報区分の境界とか,定義を明確にする部分や防災に関する事項については,しっかりと定めていれば良いと思います。ただ,気象庁があまり細かく指定し過ぎるのは良くないと思います。例えば,各気象用語について,使用を控えるべきであるとか,そういう指定もしています。ただ,最近は多様な手段によって情報を伝えることが可能なわけです。従って,控える控えないというのは,気象情報を伝える側が,判断すればよいことだと思います。テレビやラジオでは,情報量が少なくなるので,聞きなれない気象用語を使うのは難しいでしょう。一方で,文章によって伝える場合などでは,見慣れない用語について,説明がしっかりでてきていれば,見慣れない気象用語を使用する分には問題ないと思うのです。


気象予報を自由化したわけですから,表現方法を縛るようなことをしない方向を期待したいものです。

私はWindowsユーザですが,Macもいいなあと最近考えはじめている今日この頃。Appleからいろいろな魅力的な商品が登場しますが,今回は携帯電話のようです。


Mac+iPod+携帯でスマートフォン超えを目指す「iPhone」 (ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/10/news010.html

Google Mapsはアプリケーション化されており、衛星写真との切り替えも可能だ。


データは無線LANなどでインターネットに接続する必要があると思いますが,ブラウザを介してではなく,iPhoneのアプリケーションの一部となっているようです。また,アメリカのAppleのサイトでは,Google Mapsを使ったデモンストレーションがあります。検索もできてリスト表示も可能。リストアップされた電話番号を直接コールできるようです。


Apple iPhone "Breakthrough Internet Device"
http://www.apple.com/iphone/internet/?feature=feature04


おそらく,GPSとの連携へと繋がっていくでしょう。日本でもいつかは発売されると思うので,期待したいところです。

あけましておめでとうございます。今年も,当サイトをよろしくお願い申し上げます。

ことし一発目のエントリーです。


WMSは,Web Maps Serviceの略で,ネット上にサーバーを公開して地図情報を配信するサービス(WebGIS)のことで,OGCによって,標準化がなされています。URLに定められた形式に沿ってパラメータを入力すると,地図が画像としてかえってきます。インターネットに接続されたパソコンであれば,誰でも表示させることが可能です。従って,空間データを広く公開する手段として有効です。


WMSやWFSなどは,昔からGISを扱ってきた人達の分野から発展してきたものです。一方で,Ajaxなどを使用した,Google MapsやAlps Lab,MSのLive Searchなどの,どちらかというとIT分野から出てきたWebGISも最近は登場し,マッシュアップが増えているのは,ご存知の通りでしょう。どちらかというと,こっちの方が勢いがあります。


インターフェイスが良いことや,APIで簡単にカスタマイズできること,最初から地図や衛星画像が提供されている点を考えると,情報分野から登場したWebGISに乗っかってサービスを提供していくことが,広く利用してもらうために重要といえます。ただ,データの表現方法の柔軟性や,データの汎用性や空間データの管理の側面を含めて考えると,WMSやWFS(画像ではなく,ベクターデータを配信する標準化された規格)を利用することも重要です。


私は,2つの流れから発展してきたWebGISのメリットを生かせるように,融合させることが有効だと考えています。空間データの格納や配信はWMSやWFSを使用し,配信されたデータを表示する手段として,APIを使った地図を利用するというアプローチです。それを実現するために,自分でWMSを構築し,所属している研究室で受信している衛星画像を配信する仕組みを整えました。そして,WMSで配信されるレイヤーを,Google MapsとGoogle Earthにオーバーレイすることが可能となりました。


実は,2006年の夏からウェブサーバーにMapserverを導入し,WMSを構築していたのですが,設定が良く分からず,あまり進んでいませんでした。冬休みにいろいろといじったところ,やっとうまくいったのでBlogにて紹介することにしました。Google Mapsへのオーバーレイは,John Deck's Blogで紹介されているソースコードを利用しています。


Web Map Service + Google Maps
http://webgli.iis.u-tokyo.ac.jp/modis/merc_map.html

右上の「MODIS Composite」をクリックしてください。このwebgliというサーバーは,レスポンスが早くありません。ですので,表示されるまで少しお待ちください。ある程度,拡大表示すると描画されなくなります。一方,Google Earthについては,


http://tagchan.net/blog/2006/09/google_earth_5.html


で紹介しているように,WMS表示機能が搭載されているので,それほど難なく表示できました。kmlファイルで共有できるので,こちらに公開しました。

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