2007年2月アーカイブ

地震の地形変動解析、衛星画像使う新手法 名大など開発 (朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/news/NGY200702220007.html

地震直後の衛星画像を使って、地震による地形変動の大きさを解析する新しい手法を名古屋大学などの研究グループが開発した。この手法で04年12月のスマトラ沖地震の震源域の北端にあたるアンダマン諸島のリーフ島で地震直後に島が約2.15メートル隆起したことがわかった。地震直後の地殻変動を調べ、地震の特徴を知るのに有効な手段になるという。衛星画像を使った標高は、同じ場所を違った角度から2枚撮影して立体視すれば計測できるが、地震直後に必要な場所を撮影できるとは限らない。そこで、名大大学院環境学研究科の院生、石黒聡士さんらは、観測精度も違う異種の衛星が撮影した複数の写真を使って標高を計測するプログラムを作った。


地形変動を把握するということは,地震発生前にも地形データを作成しておく必要があります。そして,地震発生後にIKONOSとQuickBirdのステレオペアで立体視したのでしょう。高解像度衛星画像には衛星自体の位置やセンサ情報が提供されるので,衛星写真測量を使って地表面の3次元座標を得ることが可能です。画像上で正確な3次元地理座標が1点くらいあれば十分な精度を得られるはずです。なので,新聞報道のように,新手法とまでいうのはちょっと言いすぎかなという気もします。ちなみに,違うセンサで3次元モデルを作成することは,商用ソフトウェアでも可能です。


災害直後というのは,たくさん衛星画像が撮影され,低コストで提供されるはずです。とうことは,入手が容易となるので,こういう高解像度衛星画像を集めて,今回のような使い方をするのは案外容易かもしれません。是非,このプログラムを公開して一般(といっても専門家でしょうけど)に使えるようにしてほしいものです。こういうソフトウェエアは商用だと何百万することもありますので。

地図をネット配信 国交省、08年度実施へ測量法改正
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200702230025a.nwc

国土交通省は22日、国土地理院が測量・作製し、刊行している各種地図をインターネットを通じて提供できるよう、測量法を改正する方針を決めた。ネット普及が進む中、国土地理院が持つ地図データを利用しやすくすることで有効活用を促すのが目的。有償とするか無償とするかは今後詰める。今国会に改正案を提出し、2008年度実施を目指す。

国土地理院はすべての測量の基本となる「基本測量」を行い、都市部を対象とした「1万分の1」のほか、全国をカバーする「2万5000分の1」から「500万分の1」まで、主に7段階の縮尺の地図を刊行、書店などで販売している。この地図を、地理院のホームページからダウンロードできるようにする。


地図センターとか大きな書店で数値地図を購入し,幾何補正をしてたこともあるので,インターネットを通じて各種地図が手に入るようになると,非常に楽ですね。ただ,どうやって地図を配信するのかがポイントで,各自ダウンロードして使うのか,完全にWeb Map Serviceとして配信するのか,が気になるところです。個人的にはどちらもやって欲しいです。


「有償とするか無償とするかは今後詰める。」と書いてありますが,国民の税金で作った地図を有償で提供するってのはどうなんでしょう。むしろインターネットを通じてもっと活発に利用してもらえる効果を考えると,有償が基本というのは論外ではないかと思います。

中国から「もや」、日本列島覆う…NASAが撮影
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070216i406.htm

中国から流れてきたとみられる薄茶色の濃いもやが日本列島を広く覆っている様子を米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星「アクア」が撮影した。画像は米東部時間今月6日に撮影された。通常の雲とは明らかに状態が違っている。春先に見られる黄砂にも似ているが、日本の気象庁ではこの時期の黄砂を確認していない。NASAは中国で進行する大気汚染との関連性を指摘している。


ソース元のウェブサイトですが,


Eearth Observatory Newsroom: New Images - Haze over Korea


に紹介されています。画像は高解像度で提供されているので,DLしてじっくり観察することもできます。

衛星画像を観察すると,中国大陸は白みがかってますね。また,朝鮮半島南部から山陰沖も白みがかっているようです。一方,黄海や東シナ海にまとまった雲がありますが,これは2月6日の地上天気図(ASAS)によると,


chart.jpg


Fogと表示されています。霧です。これは大気汚染によるヘイズではないので,注意が必要です。一応,衛星画像に霧の領域を示しておきました。赤枠で囲んだ領域です。


satellite_image.jpg
Eearth Observatory Newsroom: New Images - Haze over Koreaより,一部加工。


日本だって,それなりに大気汚染による粒子が大気中に放出されています。雨が降った後だったり,風が強い晴れた冬の朝などは空気が澄んでます。しかし,都心では白みがかったような空のことが多く,原因はだいたい同じです。

中国破壊衛星の破片軌道、「だいち」に接近 (朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0207/016.html

中国が1月に実施した人工衛星の破壊実験で発生した破片(デブリ)の軌道が、昨年打ち上げられた宇宙航空研究開発機構の地球観測衛星「だいち」の軌道に南極上空で約1.4キロまで接近していることが、九州大の平山寛助手(宇宙工学)の解析でわかった。南極上空に同時期に来ない限り衝突の危険は少ないが、デブリの軌道は刻々と変化しており、宇宙機構も監視を強めている。


デブリを監視していても,避けることはできません。なので,見守るしかないでしょう。これで,もし何かの衛星に衝突すれば,世界的に相当な批判が起きるでしょう。むしろ,こういう自分勝手な実験をさせないためにも,衝突事故が起きた方が良い可能性もあります。ですが,地球観測衛星にはぶつかって欲しくないですね…。

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