2007年4月アーカイブ

「みんなが集まって,地図を作りあげる。」


ここ最近,参加型地図が注目を集めつつあります。これまでは,アナログ地図の場合もそうですが,小数の人が地図を完成させて,多くの人に発信・公開するという流れでした。しかし,インターネットによって,情報のやりとりが容易になりました。そのため,「みんなで作り上げる地図」という形が,じわじわと広がってきているような気がします。


参加型地図が注目を集めた最初の事例としては,


バカ日本地図
http://www.chakuriki.net/japan/


というのがありました。これは完全にお笑い系でしたね。自治体系では,例えば


ふじさわ電縁マップ
http://gis01.city.fujisawa.kanagawa.jp/Portal.do


というのがあります。


最近は,「口コミを集約する手段としての地図」という位置付けで,様々なサービスが多く立ち上げられている印象があります。例えば…


ワイワイマップ by Yahoo! 地図情報
http://waiwai.map.yahoo.co.jp/


buzzmap by so-net
http://buzzmap.so-net.ne.jp/


食べログ by 価格.com
http://r.tabelog.com/japan/rstmap/


が挙げられますが,探せば他にもいっぱいあるでしょう。


こういうサービスがどんどん増えてきたわけですが,次のステップとしては,こういう集約した情報を,いかに適切なタイミングで提供するのか,ということになるかと思います。GPSやPlaceEngineなど,位置情報を取得する技術を生かすことができれば,適切なタイミングで,実世界にいる位置情報を照らし合わせて,情報を提供できるようになるはずです。

地震災害2つについて,ALOSによる緊急観測の画像が公開されています。


平成19年(2007年)能登半島地震に関する「だいち」による緊急観測の結果について
http://www.jaxa.jp/press/2007/03/20070330_daichi_j.html


陸域観測技術衛星「だいち」 データ中継衛星通信部機器の冗長系への切り替え及びソロモン諸島地震に関する「だいち」による緊急観測の結果について
http://www.jaxa.jp/press/2007/04/20070409_daichi_j.html


能登半島地震の方は,パンシャープン画像です。10mのマルチスペクトル画像を2.5m解像度の白黒(パンクロマティック)画像を組み合わせて,擬似的に2.5m解像度にした画像です。画像を見ると,土砂災害による崩落箇所がなんとなく分かります。


一方,ソロモン諸島地震の方は,マルチスペクトル画像のみが公開されています。(白黒画像は,直下でしか撮影できないことから,ソロモン諸島の地震は直下からかなり外れた所から撮影したようで,マルチスペクトルしか撮影されていない可能性が高いです。これは,マイミクのカソトワさんに教えていただきました。感謝。)画像を見ると…,被害箇所かどうか良く分かりません。10m解像度のマルチスペクトルだと,やはり厳しいのでしょうか。


次に,ALOSのトラブルについて。


JAXA:陸域観測技術衛星「だいち」でトラブル(毎日新聞)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、地震の被災状況などを撮影する陸域観測技術衛星「だいち」で観測データの送信が中断するトラブルがあったと発表した。5日にデータ中継衛星経由で観測データを地上に送ろうとしたが送信できず、8日、故障したとみられるだいちの送信機器の一部を予備のものに切り替えたところ復旧した。


ソロモン諸島の撮影のプレスリリースのタイトルにも含まれている件です。予備に切り替えて復旧したとうことは,本線は×ということなんでしょうか。また,本線と比べて,何らかの質が落ちるという可能性はあるのでしょうか…。

最近,Google Mapsに関する大きな出来事といえば,先日登場したMy Map作成機能でしょう。


Google マップで自分だけの地図を作成
http://maps.google.co.jp/help/maps/userguide/index.html


やっと,APIの知識無しでも,データを作ることができるようになりました。フィーチャを点だけでなく線,面も作れるのがいいですね。また,KMLにもできるようですね。あとは,マイマップを自分のサイトやブログに貼り付けることができるようになれば,いいのになあと思います。


マイマップは,あくまで個人ベースであることと,インタラクティブに作成できることがメリットと言えます。しかし,データの管理という観点からは,マイマップだけでは結構面倒なのではないかと思います。で,Google Maps API Blogには,興味深い例が紹介されてました。


Creating Dynamic Client-side Maps Mashups with Google Spreadsheets
http://googlemapsapi.blogspot.com/2007/03/creating-dynamic-client-side-maps.html


WebベースでMS Word, Excelのような機能が提供されているGoogle Spreadsheetは,Google Spreadsheet APIを使うことで,Google Spreadsheetで編集したデータをJSONの形式で吐き出すことができるようなのです。また,

JSON output is native Javascript code itself, and with a callback parameter that wraps the JSON output text in parentheses and a function name of your choosing, it allows you to get around some of the cross-domain security issues you might encounter in typical client side JavaScript.


と述べているように,JSONはJavascriptと親和性が高いこと,クロスドメインの問題が無いことから,HTML内にJavascriptのコードを記述するだけで,済んでしまいます。というわけで,自分のサイトのGoogle Mapsに簡単に取り込めるわけです。


Google Spreadsheetを使うことで,大量のデータの管理がしやすいこと,共有させることで他の人との共同編集が可能なことも,便利なところです。My Mapsを何らかの形でAPIとして組み込まれれば,Google Spreadsheet APIと組み合わせて,GISデータ作成ツールなんかも作ることができるかもしれません。

昨日のエントリーで,Flickrにアップロードした写真に地理情報のタグである,Geo tagを与える簡単な方法を紹介しましたが,この与えたGeo tagを使って,自分のサイトのGoogle Mapsにポイントとしてオーバーレイする方法を紹介します。もちろん適用する場合は,Flickrのアカウントを取得し,API keyを取得しておく必要があります。


方法を簡単に説明すると,Javascriptを用いて,Flickr APIを使って自分のアカウントの写真の情報をJSONの形式で抽出して分解し,Google Maps APIを使用して地図上のプロットということになります。


Flickr APIのうち,flickr.photos.searchを使います。

http://api.flickr.com/services/rest/?method=flickr.photos.search&api_key=「API Key」user_id=[User ID]


この「API Key」と「User ID」を取得したものを入れ,JSONフォーマットのためのURLの末尾に「&format=json」を付けると,私の場合は,

http://api.flickr.com/services/rest/?method=flickr.photos.search&api_key=e0c65155a65b79c9a6c9bd0776908bb3&user_id=7593934@N02&format=json


となり,結果はこちらとなります。横長のテキストが帰ってきます。ここにアップロードした情報が含まれているんです。そして,Geo tagを付けたものだと,こちらになります。一応,XML形式だとこんな感じ(Geotagのない写真は緯度経度が0になるようです)。緯度経度が含まれているのがわかります。他の情報も抽出できるので,詳しくはflickr.photos.searchのページを参照してください。


で,今回はJSONで呼び出しているので,クロスドメインの問題はなく,Javascriptで簡単に情報を抽出できます。それを,Google Maps APIでポイントとしてオーバーレイするわけです。試作したサイトは,


Flickr API + Google Maps API
http://www.tagchan.net/flickr_map.html


です。JSファイルは,こちらです。JSファイルはご自由にお使いください。なお,Google Maps APIを使っている部分は,私のホームページのトップにある地図と同じで,吹き出し内に写真を表示できるようにし,地図の外にはオーバーレイしたポイントをリスト表示しています。


Flickr+Google Mapsだとgeotagr!というのがありますが,これは写真の表示は別サイトで「あちら側」のまま。今回の方法だと,自分のホームページ上で写真地図を気軽に表示できるため,気分としては「こちら側」とすることができます。


<参考にさせていただいたサイト>
・JSON Response Format (Flickr)
http://www.flickr.com/services/api/response.json.html

・kajidaiの日記 - FlickrAPIがJSON対応
http://d.hatena.ne.jp/kajidai/20061002/1159811459

・第2回 JavaScriptからFlickr APIで画像検索:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061101/252356/

写真を管理したり,公開するサービスはたくさんあります。代表的なのはGoogleのPicassaFlickrでしょうか。「あちら側」で写真を管理して,共有もできます。


特に,Flickrはまさにweb 2.0の代名詞です。タグでの管理やAPIの公開など,積極的に行っています。今回,諸事情があって,Flickrをはじめてみたんですが,撮影地点をプロットしたフォトマップも作成できて,非常に便利なんです。


で,フォトマップのための撮影地点の座標をどう入れるのかというと,web 2.0らしくタグを使います。Geo Tagと呼ばれていて,タグを入力するところに「geo:lat=35518762 geo:lat=35518867」みたいに入れるわけです。もちろん,手打ちだと非常に面倒なので,こんな便利なツールがあります。


Localize Bookmarklet - Map Your Flickr Photos!
http://labs.sumaato.net/tools/flickr_geocode_bookmarklet/

I just spend some time to create a slim bookmarklet that enables mapping, geocoding and geotagging directly in your Flickr photo page. It works with all common browsers without the need for any extension.


ブックマークレットです。使い方は,とても簡単。まず「Don't waste your time: Grab it here!」をブックマークのところにドラッグしておきます。そして,自分のflickrの写真のページで,このブックマークレットをクリックすると,Google Mapsが表示され,ダブルクリックすると勝手にGeo Tagに緯度経度を与えてくれるのです。


このGeo Tagの緯度経度をFlidkr APIを使って呼び出し,自分のサイトでGoogle Mapsにプロットする方法を,次エントリで紹介します。

Googleが地図を改ざん、米上院科学技術委員会が正式調査へ(Technobahn)
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200704021557

Googleが2005年8月に米南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」で壊滅的な被害を被ったニューオリンズなどの地図情報をハリケーンで被害を被る前の状態に差し替えていたことが判明。事態を重く見た米上院科学技術委員会は3月30日、Googleのエリック・シュミットCEOに対して、質問状を送り地図情報を差し替えた理由を質す事態になった。


まず,タイトルが改ざんという表現ですが,衛星画像は,客観的な過去の事実を示しているのに,「改ざん」という表現は違和感があります。改ざんとう言葉の使い方の問題もありますが,一番問題なのは,「地図や航空写真,衛星画像をGoogle MapsやEarthに頼りすぎている」ことだと思います。


Katrinaによる被災後のNew Orleansの衛星画像は,災害復興上,公益性が高く,非常に重要なデータなわけです。なので,一企業の所有している地図データや,インターネットによる地図表示システムのみに頼るべきではないでしょう。アメリカであれば,FEMAのような国の責任ある機関が,衛星画像を収集し,公開するシステムを構築するべきです。


また,他にも別件でGoogle EarthとMapsが批判されてます。


マレーシアのナジブ国防相、独断による地図情報改ざんでGoogleに苦言(Technobahn)
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200704011649

マレーシアのナジブ国防相は28日、マレーシア国内の軍事施設の衛星写真画像が著しく解像度の低いものに置き換えられていた件に付いて触れて「マレーシア政府として Googleに対してそのような行為を行うことを求めたことはない」とした上で「地図情報は商用目的に世界中で公開されているものであって、軍事施設の箇所だけ隠蔽することは間接的に、そこに重要施設があるということを教えてしまうものだ」と述べて、不用意に地図情報を改ざんしたGoogleの姿勢に対して批判を加えた。


Google EarthやMapsが,影響力のあるアプリケーションであることは確かですが,そこまで注文をつけるのはどうかな,と思いますね。

衛星画像で火山監視、噴火予測も可能…東大が開発(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070402it07.htm

国内44の火山を含む東アジアの147火山について、マグマの上昇による地表温度の変化などを常時監視し、火口付近の温度上昇や噴煙の様子などについての分析結果をホームページ上で公開している。


なぜこのタイミングで,こういう報道がされたのか,良く分かりません。一応,ウェブサイトは以下に示しました。


衛星データによる東アジア活火山の準リアルタイムモニタリング(東京大学地震研究所)
http://vrsserv.eri.u-tokyo.ac.jp/REALVOLC/indexJ.html


私の所属する研究室も,MODISとMTSAT(ひまわり6号)の処理の関係で絡んでいます(私は関わっていませんが)。インターフェイスはいまいちだと思いますが,準リアルタイムである点がおもしろいですね。


監視というわけではありませんが,産総研がASTERという衛星画像を使って火山を撮影した画像のDBを作っています。


火山衛星画像データベース(産総研地質情報研究部門)
http://www.gsj.jp/database/vsidb/image/


これもインターフェイスが悪いですね。なんとかならないんでしょうか…。

Gooogle、JAXAを買収 (Slashdot)
http://slashdot.jp/article.pl?sid=07/04/01/0158241

Gooogleおよび文部科学省は4/1、文部科学省所管の独立行政法人である宇宙航空研究開発機構(JAXA)の全資産をGooogleに売却し、完全子会社の Gooogle宇宙航空研究開発株式会社となることを発表しました。買収総額は1兆円で、そのうち5000億円はGooogleの新株で賄われます。 JAXAは年間2000億円の予算を消化する組織であり、一部アナリストの間では今回の取引がGooogleの財務に与える影響を懸念しています。ただ、 Gooogleは直近の四半期において32億ドルの売上と10億ドルの純益を記録して、四半期毎にその利益を増やし続けていること、さらに新しく発足するGooogle宇宙航空研究開発株式会社では、全打ち上げロケットの側面にGooogle AdSenceを導入し、電通がその販売協力を行うとも発表されており、それが収益に貢献すると見られています。

日本政府としては、JAXAを手放すかわりに一定のGooogle株式を保有するというメリットを獲得し、Gooogleでは今回の取引を来たるべくNASA買収の予行演習とする計画です。


注) きょうは4月1日です。

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