2007年7月アーカイブ

インターネットで地図を利用する人が多くなってきました。従って,以前よりも地図に接する機会が多くなったといえます。地図は当たり前のように溢れているわけですが,ここで,地図はどのような技術・手法等で作成されているのか,どのくらい作成が大変なのか,という基本的な部分の知識について,一般ユーザは知る必要があると思っています。

また,地図は作成された時点で,地物が抽象的に表現され,また情報の新鮮さは劣っていくわけです。主題精度,時間精度,位置精度などを念頭において,地図を読むことができる「地図リテラシー」は,インターネットで地図が容易に閲覧でき,空中写真や高解像度衛星画像も簡単に見ることができる時代においては,必要な知識であると考えています。ただ,そういうことを体系的に教えている教科書はないですね。

ただ,そういう部分の一端を垣間見ることができるような書籍を紹介します。これは,田口が購入した地図作成に関する書籍です。リストアップされているのは,地図の歴史,地図の豆知識,経度計算に重要な時計の歴史,三角点の選定に関する小説,です。

    地図に訊け! (ちくま新書)
    山岡 光治
    筑摩書房
    売り上げランキング: 55517
    おすすめ度の平均: 4.5
    4 地図自体が面白くなる
    5 地図に一生を捧げた技術者の書いた良書
    5 知らなかった地図の情報
    5 地図はたのしい、、、
    4 なかなか熱い「地図」本

先日,朝日新聞の書評に掲載されていたんで,早速購入しました。地形図に関する逸話を含めた読み物です。地図の作成,表現,正確さに関して記述されています。

ものすごく分厚い本です。電車の中では読めません。この本では,地図が発明されたところから,最後は火星や月面の地図まで網羅しています。衛星リモートセンシングや写真測量についても触れられています。

経度の正確な計算には,正確な時計の存在が必要不可欠。その時計にまつわる話が中心です。大航海時代における緯度経度の決定方法を知ることができます。

点の記というのは,測量で使う基準点の設置の記録のことです。登頂が非常に困難な劔岳の三角点の設置の記録です。地図を作るためには正確な位置が判明している基準点が必要であり,地形図の基本です。

また,新田次郎のこの小説は映画化されるようです。2009年予定ですが,楽しみです。

木村大作カメラマン初監督、新田次郎原作「劔岳~」映画化 [文化通信.com]
http://eiga.com/buzz/show/7725

東映は13日、映画「劔岳 点の記」の企画を発表した。「劔岳 点の記」は、「八甲田山 死の彷徨」「富士山頂」などで知られる新田次郎の同名小説の映画化。明治40年、日本地図最後の空白地点、前人未踏の劔岳に測量のため挑んだ男たちを描く実話。

前エントリーでFlickrがGeoRSSをサポートしていることを紹介しましたが,実はkmlをサポートしていることもわかりました。このことは,結構いろいろなBlogで紹介されています。例えば以下のサイトに多少詳しく紹介されています。

FlickrがKML対応?(グーグルアースを楽しむBlog@N-O)
http://googleearth-no.blogspot.com/2007/06/flickrkml.html

「format=kml_nl」とパラメータを設定することでKMLをフィードしてくれるわけです。

Flickr, KML, and a stroll down memory lane. (geobloggers )
http://geobloggers.com/archives/2007/05/31/flickr-kml-and-a-stroll-down-memory-lane/

というわけで,田口のFlickrにアップロードされていて,geotaggedされた写真のkmlは以下のURLとなります。

http://api.flickr.com/services/feeds/geo/?id=7593934@N02&format=kml_nl

2週間に1回くらいは新しい写真が更新されているかもしれません。

以前にコメントしましたが,Google Mapsは,GeoRSSをサポートしています。GeoRSSで与えられている緯度経度をGoogle Mapsでオーバーレイする方法は2つあって,

1. Google Mapsのサイトで,地図の検索のところにGeoRSSのURLを入力する方法

2. Googel Maps APIのGGeoXMLを使って,自分のサイトに載せる

があります。

さて,写真共有サイトのFlickrは,GeoRSSをサポートしていることが分かりました。

RSSに位置情報を格納できるGeoRSSをGoogle Maps APIがサポート (F.Ko-Jiの「一秒後は未来」)
http://blog.fkoji.com/2007/03250034.html

Flickrで取得できるフィードはGeoRSSに対応しているらしく、&georss=trueというパラメータを付与することでフィードにGeoRSSで位置情報が埋め込まれるそうです。

田口のFlickrでGeoRSSを出力すると,以下のようになります。

http://api.flickr.com/services/feeds/photos_public.gne?id=7593934@N02&format=rss_50&georss=true

てなわけで,これをGoogle MapsでGeoRSSをオーバーレイしてみました。

1の方法は,こちらをクリックすると,Google Mapsのサイトへ飛んでマッピングされます。ただ,問題点があり,こちらで示されているように,二重に表示されてしまいます。

2の方法は,こちらにサイトを設置しました。ソースはシンプルで,

var map; var geoXml = new GGeoXml("http://api.flickr.com/services/feeds/photos_public.gne?id=7593934@N02&format=rss_50&georss=true");

function onLoad() {
if (GBrowserIsCompatible()) {
map = new GMap2(document.getElementById("map"));
map.addControl(new GMapTypeControl());
map.addControl(new GLargeMapControl());
map.setCenter(new GLatLng(35.51881, 139.44418),9);
map.setMapType(G_SATELLITE_MAP);
map.addControl(new GOverviewMapControl(new GSize(120,120)));
map.addOverlay(geoXml);
}

これだけです。

以前,Flickr APIでJSONを出力し,Google Mapsにオーバーレイする方法を紹介しましたが,今回の方法は,マーカーのアイコンがいじれないなど,自由度は低いですね。従って,しっかりしたサイトを作りたい人は,Flickr APIを使用する方法がお勧めです。気軽さでいえば,今回の方法もありでしょう。

とにかく,GeoRSSがFlickrのような大手のサービスで採用されているのは,大変望ましい限りです。

リアルタイム地図更新は,地図の情報と現実とのギャップを埋めるために重要です。それをホンダのカーナビで実現したようです。

internavi Premium Club 地図データ更新
http://www.premium-club.jp/service/service1.html

さすがにデータ量が多いので,DVDやHDによってデータを持ってくる必要があるようです。

次に,リアルタイムの豪雨情報と地震情報が配信されるようになりました。今までは,渋滞情報はありましたが,渋滞情報以外で,リアルタイムな情報として配信されるデータはありませんでした。

「インターナビ・ウェザー」に世界初の「豪雨地点予測情報」と「地震情報」サービスを追加(Honda プレスリリース)
http://www.honda.co.jp/news/2007/4070704b.html

財団法人 日本気象協会から提供される降雨予測情報をもとに、インターナビVICSの通過予想時刻にもとづく、約10分先までの時間雨量30mmを超える豪雨地点予測情報をナビゲーション画面に表示し警告する。

配信方法はVICSを使っているのですね。電話系の回線ではありません。

http://www.premium-club.jp/technology/t1.html
http://www.premium-club.jp/technology/index.html

災害リスクに関する情報がリアルタイムで配信されるという,かなり先進的な事例だと思います。

さらに,注目したいのが,各車の情報を集約できるシステムがあることです。

internavi Premium Club インターナビフローティングカーシステム
http://www.premium-club.jp/technology/tech1_2.html

フローティングカーシステムとは、クルマをセンサーにして、そのデータを、通信機器経由で収集する仕組みのことです。

GPSで位置が分かるわけですから,いろんなセンサーを付けることで,さまざまな位置にある車から広域に情報を収集可能となるわけですね。たとえば,ワイパーの動作の情報を集めることで,雨の降っている所がレーダーより詳細にわかったりとか・・・。

地図のリアルタイム更新,災害リスクに関する情報のリアルタイム配信,位置+情報の収集システムが整備されているということで,空間情報分野の最先端の実用例ですね。

東京都下水道局が提供する東京アメッシュが7月になってリニューアルしました。

東京アメッシュホームページをリニューアルしました
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/ja/info/20070701.html

東京アメッシュホームページをいつもご利用いただきありがとうございます。 今回のリニューアルは、近隣自治体との連携により、取り込む降雨情報を大幅に増やして精度向上を図るとともに、画面をリニューアルしました。 リニューアルの内容は、次のとおりです。

・画面表示の広域化
・降雨強度区分の細密化
・操作性の向上

レーダーは,近隣にあるレーダーも取り入れ,雨量計も近隣に設置されているものを使用しており,広域化を行ったようです。

また,前よりも格段に見やすくなりましたし,非常に良いインターフェイスだと思います。これは下水道局だけのアプリケーションとするのはもったいないですね。発雷・落雷地点もオーバーレイして欲しいです。