過去から継続的に撮影された空中写真は,最近ではネットで公開されてきている。特に,国土地理院のサイトの「国土変遷アーカイブ」は,最近さらに拡充されたようである。空中写真は,戦後の土地利用の変化などを知るための貴重な資料である。特に,この国土変遷アーカイブでは,終戦直後の米軍撮影の空中写真も閲覧可能である。こういうデータが一般に公開されるのは非常に良いことだ。
このような空中写真閲覧サービスは,他にもある。それは,「国土画像情報閲覧システム」である。これは国土交通省が管理しているサイトである。撮影時期と範囲はこちらに紹介されており,1970年代から90年代までの写真となっている。
2つのシステムを比較すると,「国土画像情報」の画像の方が高解像度で,400dpiである。一方,「国土変遷アーカイブ」は200dpiとなっており,JPGのブロックノイズがひどく,判読は困難である。従って,400dpi以上にするべきである。
そもそも,空中写真を国土地理院と国土交通省の2つのサイトに分けて公開する理由が分からない。撮影時の目的が違うのだろうが,当事者外から見れば,同じ地面を撮像した空中写真である。これら空中写真は一元的に公開されるべきであろう。(実は,もう一つ国土交通省の「オルソ化空中写真閲覧サービス」というものもある。)
また,膨大なアナログのフィルムを200dpiとか400dpiでスキャンしているのであれば,最高解像度で全てをのデータをスキャンしておくべきである。そうすれば,デジタルで配布することが容易だし,画像解像度を落として印刷することも,ウェブ上で公開することも容易となる。これは,過去になるほど写真フィルムが劣化するので,その前にデータを残しておくというメリットもある。
Google Earth等の登場で,空中写真や高解像度衛星画像を見る機会が格段に増えたわけだが,今後は時間軸も重要視され,現在の状況だけでなく,過去の情報を参照するニーズも高まると考えられる。そうなると,過去を知る数少ない空間情報である空中写真は,今後必ず貴重な情報源となるはずである。そのためにも,空中写真のデジタル化や,データベース化など,管轄を超えた議論が必要があるだろう。
なお,上記期間以外にも,森林域を対象に林野庁や都道府県で撮影された空中写真も存在しており,これは購入するしか方法がない。一元的にデジタル化する動きは,今のところなさそうである。
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