2007年12月アーカイブ

2007年は高機能携帯端末が続々と登場した。代表的なのがiPhoneとiPod touchだろう。これらはPCと同じMac OSが入っており,タッチパネルを導入するなど,使いやすいインターフェイスとなっている。ほかにも,小さいラップトップであるAsus Eee PCの登場(予定)や,デルもモバイルデバイスが出るのではという噂も出ている。また,Googleが発表した携帯電話のプラットフォームである「Android」の登場など,Googleもモバイルの分野に本腰を入れ始めている。通信インフラについては,未だに携帯電話やPHSの回線がメインではあるが,街中の無線LANもゆっくりではあるが,着々と整備されている。いつでもどこでも,回線の太さを気にすることなくインターネット等のネットワークにアクセスできる環境が整いつつある。

通信インフラの整備,デバイスの高機能化および小型化,インターフェイスの高機能化,アプリケーション開発の容易性に伴って,高機能な携帯端末は一気に広がる可能性を秘めている。これからは,高機能携帯端末に関連する動向にも注目すべきだろう。

これまでは,主な携帯端末である携帯電話での各種インターネット上でのサービスは,ディスプレイのサイズやインターフェイス,通信回線の太さによって制約を受けていた。しかし,高機能携帯端末の登場および普及によって,PCで可能だったインターネット上の各種サービスが,携帯端末で実現できる可能性がある。従って,地図サービスについても,PC上で可能だったマッシュアップや,高機能なサービスを携帯端末で受けられる可能性がある。これらのメリットは,地図サービスにとって大きな転機となる可能性を秘めている。

次に,地図の効用について考えてみたい。地図は机上やPC前で使用することも有効であるが,デジタルやアナログに限らず,「対象とするリアルな空間の中心で」地図を使用することが最も効果的ある。机上やPCの前で地図を使する場合,例えば地図で見ていたその対象地まで行くのに,時間が必要である。一方,対象とするリアルな空間の中心,例えば初めて訪れた街へ行って地図を参照すれば,その情報を意思決定や行動にすぐに反映させることができる。地図は現場で活用できてこそなのだ。

ただし,従来は現場での活用には制約が多かった。従来の紙地図では,自分がどこにいるのかを自力で知る必要があり,さらに紙地図から得られる情報には限りがあった。

これらの制約は,高機能携帯端末を用いることで解決できるだろう。測位(位置情報)については,GPSの普及やPlace Engineなどの無線LANによる測位によって,自分の位置を知る苦労はもはやほとんど無い。さらに,通信インフラも問題なくなりつつある。従って,インターネット上から位置情報をキーワードとした関連情報を引き出し,ディスプレイに簡単に表示し,高機能なインターフェイスによって,インタラクティブに情報の切り替えや検索が行えるようになる。

つまり,高機能携帯端末を利用することで,地図を使う効用が最も発揮できると考えられるのだ。

2008年に高機能携帯端末がブレークすれば,地図サービス関連はもう1度ブレークするかもしれない。今後のこれらに関連する動向に注目していきたい。

測量機器大手のソキアとトプコンの経営統合は記憶に新しいが,航空測量業界の再編が始まるかもしれない。

公開買付けの開始に関するお知らせ (日本アジアホールディングス)
http://www.ja-holdings.jp/holdings/html/jahl/viewNews.jsp?id=30545613321&dir=200712&update_time=1198627339000

平成19年12月25日開催の取締役会において、国際航業ホールディングス株式会社(以下「対象者」といいます。)の普通株式を公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)により取得することを決議致しましたので、お知らせ致します。

上記サイトにPDFがあり,かなり詳しくTOBに関する情報が掲載されている。なお,友好的TOBのようだ。

なお、本公開買付けにつきましては、既に対象者の取締役会からもご賛同をいただいており友好的に行われるものであります。- 1. 公開買付けの概要

また、国際航業株式会社を取り巻く市場環境は、売上の8割以上を占める公共部門のマーケット縮小を受けて、年々厳しさを増してきている事情にあります。こうした危機認識の下、当社は、経営組織の再構築を促進するための持株会社化を国際航業株式会社に提案し、上記のとおり、平成19年10月に株式移転により同社の持株会社化を実現しました。なお、対象者の事業活性化においては、従来からの主要事業である地図・空間情報サービス事業に加えて、さらなる派生・応用事業への多角化や民間部門での事業拡大が不可欠であり,(以下略) - 公開買い付けの背景

確かに,公共部門に重きがある会社だったと思う。営業のパスコ,技術の国際航業というイメージがあるので,これを機に営業が強くなり,民間へシフトしていくことが期待できるかもしれない。

うまくこの外圧を利用して再生することを願いたいが,実はこの日本アジアホールディングスはもう一つの航空測量大手のアジア航測の株式を27%くらい持っているのだ。

アジア航測株式会社の株式譲渡契約締結に関するお知らせ
http://www.ja-holdings.jp/holdings/html/jahl/viewNews.jsp?id=60344987995&dir=200709&update_time=1188892891000

国際航業とアジア航測の合併は規定路線ということなのだろうか…。

半年以上遅れているが,Twitterをはじめてみた。Gtalkで投稿できたり,Firefoxのアドオンでも投稿可能。さらに,携帯電話でも投稿できるらしいので,何かと続けられるかもしれないと思っている。

Tagchan - Twitter
http://twitter.com/tagchan

そして,Twitter APIを使って,自分のウェブサイトに最新の1行+時間を表示させてみた。ちょうどタイトルの真下あたりに表示される。APIではJSONによる出力があるので,簡単に表示可能だった。

Twitterには,表示のためのスクリプトが公開されているのだが,これをちょっと改変する。まず,こちらにアクセスして,Otherをチェック。さらに,次のページでHtml/Javascriptを選択すると,貼り付け用のコードが表示される。このなかの,
http://twitter.com/javascripts/blogger.js
を改変するのだ。このjsファイル中のtwitterCallback2がJSONのオブジェクトになる。そして,その下のrelative_timeが時間表示の部分である。これをこんなふうに改変した。relative_timeの方はそのままである。

なお,この改変はGoing My Wayさんのエントリの一部を参考にさせていただいた。

そして,html内に以下を貼り付ける。USER IDに自分のIDを入力するのである。

<div style="font-size:10px;" id="twitter_div"><a href="http://twitter.com/USER_ID" style="font-size:10px;">Twitter</a> Status : <span id="my_twitter_status"></span></div>
<script type="text/javascript" src="http://www.tagchan.net/twitter.js"></script>
<script text="text/javascript" src="http://twitter.com/statuses/user_timeline/USER_ID.json?callback=twitterCallback2&count=1"></script>

地表面がどのような物理状態であるのかを表す地図として,「土地被覆分類図」という地図がある。地球観測衛星によるデータを使い,何らかのアルゴリズムによって,半自動で分類図が作成されている。そして,分類図を使うことで,どこが森林なのかとか,砂漠の場所や海や湖などの水域の分布を知ることができる。

似たような地図としては,「土地利用図」というのがある。これは,農地とか工場とか住宅地など,人間活動がかなり反映されている地図である。たまに,土地利用と土地被覆を混同している人がいるが,別であることに注意するべきである。土地利用の区分では,工場と住宅地は別カテゴリであるが,どちらもコンクリートでできていれば,土地被覆分類図では同じカテゴリになる。ほかに似た地図としては,「植生図」というのもあるが,これは植生を詳細に分けた図である(植生図には現存植生図と潜在植生図というのもあるらしい)。

土地被覆に話を戻すが,土地被覆分類図はグローバルに整備されており,公開されている(佐藤・建石(2001)には,グローバルなデータの紹介がある)。今回,このようなグローバルな土地被覆分類図をAPIによって,アクセスしやすい形で公開してみることにした。使用したのはアメリカのBoston大学が作成しているデータである。

MOD12C1 Land Cover Product Binary Data
http://duckwater.bu.edu/duckwater1/mod12c1/index.html

こちらの「SDS01: Majority Land Cover Type 1 (IGBP, Primary Label) 」というデータである。空間解像度は0.05度で,大雑把ではあるが,土地被覆の状態を知ることができる。

ただ,この分類カテゴリにも問題があって,Croplandsは水田や農地系が同一となっていたり,あまり日本では精度が高いとは言えないかもしれない。

土地被覆API
http://www.tagchan.net/sample/landcover_api.html

今までC言語でコードを書いていたが,今回はPerlで作成している。作品ページには,各種自作APIがあるので,ご自由にお使いくださいませ。

特に,何かあるわけではないが,とりあえずはじめてみた。

友達にURLを渡してアクセスしてもらうと街が育っていくゲーム『MyMinCity』 (百式)
http://www.100shiki.com/archives/2007/12/urlmymincity.html

MyMinCityで登録すると、あなた専用のURLをもらうことが出来る。すると、そのURL自体が一つの街になり、そこにアクセスするたびに街が育っていくという仕組みになっている。

シムシティーを思い出すこの空からの視点の傾き具合。RSSで出力されるし,今後どうなっていくのか様子を見てみようかなと思う。少しだけでも,町作りをいじれると楽しいかな。

Tagchan - MyMiniCity
http://tagchan.myminicity.com/

「Write in the News Bulletin」をクリックすると,コメントを書き込むことができる。

前々エントリでは,SRTM3というデータを使って,標高値を抽出するAPIを作成した。SRTM3は,空間解像度が約90mであり,データ量が大きいため,このAPIは日本周辺に限っていた。今回,解像度がSRTM3の10倍であるSRTM30を使って,ほぼ全球の標高値を抽出するAPIを作成した。

「ほぼ」というのは,南極が含まれている南緯60度以南が含まれていないという意味である。というのも,高緯度帯はSRTMミッションでは観測できていないのである。北半球の高緯度帯については,GTOPO30という他のデータソースがあるため,それを用いている。

データは,これまでと同じように,ftpサイトにあってダウンロード可能である。従って,SRTM3と同様の方法で,APIを作成することができた。

SRTM30データによる標高値抽出 API
http://www.tagchan.net/sample/elevation2_api.html

Google Chart API
http://code.google.com/apis/chart/

URLにパラメータを入力するとグラフが返ってくる。非常に,わかりやすくてきれいなグラフが描画されるので,今後いろいろと重宝しそうな気がする。

で,ためしにグラフを作ってみた。これは小生が開発した日射量APIで計算した,東京都目黒区駒場におけるポテンシャルの日射量計算結果である。


http://chart.apis.google.com/chart?
chs=250x205&
cht=lc&chxt=x,y&
chd=t:26.46,34.85,56.26,73.70,89.49,83.99,86.49,76.40,62.04,46.14,29.51,23.56&
chxl=0:|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|1:||10|20|30&
chg=8.33,6.66&
chtt=Monthly+Solar+Radiation|(MJ/m^2/day)

パラメータについて説明していく。

chs=250x205
横×縦の画像サイズ(ピクセル)を指定している。(cshはchart sizeの意味)

cht=lc
グラフタイプ(chart type)は線グラフ(ラインチャート; line chart)。

chxt=x,y
グラフの軸タイプは,X,Yの両方ともラベリングする。

chd=t:26.46,34.85,56.26,73.70,89.49,83.99,86.49,76.40,62.04,46.14,29.51,23.56
実際のデータの記述部分。後で詳述。

chxl=0:|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|1:||10|20|30
ラベルの文字の表示(chart axis label)。01~12まではx軸。10,20,30はy軸。

chg=8.33,6.66
グラフ内のグリッドの間隔(chart grid)。8.33はx軸の間隔,6.66はy軸の間隔。

chtt=Monthly+Solar+Radiation|(MJ/m^2/day)
グラフタイトル(chart title)。

気を付けるところは,chdの部分のデータは0~100の範囲で表現される。つまり,実際の値を0~100でおさまるように,変更する必要があるのだ。なので,chxlでラベルを10, 20, 30としているが,データの値(chd)では80以上の値がある。これは日射量の値が0~40の範囲なので,40を100として正規化したのである。chgのグリッド間隔は,この0~100の範囲の場合の値を指定している。

早速だが,日射量APIにはこのAPIをマッシュアップさせて表示させることにした。

日射量API
http://www.tagchan.net/sample/sun_api.html

稚内と沖縄くらいであれば,日射量の違いが分かるはずである。

前エントリにて,Google Mapsの地形レイヤーが登場したことを紹介したわけだが,そうなると標高値が知りたいところ。なので,SRTMというNASAがスペースシャトルから作成した地形データを用いて,緯度経度から標高値を抽出するAPIを作成した。

標高値抽出 API
http://www.tagchan.net/sample/elevation_api.html

これまでのAPIと同様に,JSONPで出力される。また,Google Mapsとマッシュアップも行っており,クリックすると,矢印が表示されてその地点の標高値が表示される。

ただ,これを作った後に,同じことをやっている人を発見したのでした…。


以下,細かい実装方法について。

SRTMのデータは緯度経度1度ごとにタイル状に分割されて,データが保存されている。今回,これらタイル状のデータ(ファイル)はモザイク(接合)せず,緯度経度を入力されたら,適切なファイルを読み込み,標高値を返すようなプログラムとした。このようにすることで,標高値を読みに行くまでの時間を短縮させることができたと考えている。

まずはデータをダウンロード。シェルで行った。17度×17度の289枚のタイルである。
http://webmodis.iis.u-tokyo.ac.jp/~tagchan/srtm/get.csh.txt
wgetでダウンロードし,解凍後にddコマンドでBig EndianをLittle Endianに変換する。

そして,
http://webmodis.iis.u-tokyo.ac.jp/~tagchan/srtm/tile.txt
のようなテキストファイルを生成させる。

この,「32129」は,北緯32度東経129度を意味している。SRTMのデータは,ファイル名に左下の緯度経度が含まれている。つまり,「32129」の場合は,N32E129.hgtということになる。

これまでが,get.cshのおこなったこと。

次に,
http://webmodis.iis.u-tokyo.ac.jp/~tagchan/srtm/src/txt2bsq.c
によって先ほどのテキストデータをバイナリデータに変換する。intが17×17個で,1156バイトのバイナリデータである。

そして,
http://webmodis.iis.u-tokyo.ac.jp/~tagchan/srtm/src/dem_value.c
によって,緯度経度を引数として,標高値を返すプログラムである。

// Specify file name using index tile
この段落部分で,緯度経度からファイル名を決定している。

// Extract elevation
そして,この段落部分でピクセル値を抽出する。バイナリファイルには,fseekを使っている。

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