2008年4月アーカイブ
日本では,位置を表す手段として地域メッシュコードを使用する場合がある。地域メッシュコードは1次メッシュ(4桁),2次メッシュ(2桁),3次メッシュ(2桁)を繋ぎ合わせたコードである。
例えば,気象庁の気候値メッシュは3次メッシュの解像度である。また,防災科研の地震ハザードステーションの地震動予測地図なども3次メッシュの解像度である。何かと3次メッシュで集計されたデータが多い。
緯度経度の座標値から,地域メッシュコードへ変換するサイトはいくつか存在する(例1,例2)。しかし,マッシュアップ可能なタイプは見当たらなかった。そこで,緯度経度から地域メッシュコードを計算するAPIを作成した。
地域メッシュコードAPI
http://www.tagchan.net/sample/mesh_code.html
いままで作ってきたAPIと同様に,Google Mapsとマッシュアップしている。
去年のエントリで,国際航業とアジア航測の合併は規定路線なのかと推測したが,その推測が現実になる可能性出てきた。
国際航業ホールディングス株式会社より開示されました「アジア航測株式会社の株式取得に関するお知らせ」において,平成20年4月7日に国際航業ホールディングス株式会社が当社に対して,当社株式の取得方針を伝えるとともに,国際航業株式会社との経営統合の提案を行ったとの記載がありました。
国際航業ホールディングス株式会社による経営統合の申し入れについて
http://www.ajiko.co.jp/documents/oshirase080422.pdf
もともとは,日本アジアホールディングスがアジア航測の株を持っていたのだが,国際航業ホールディングスへ株を譲渡したようだ。ちなみに国際航業ホールディングスは国際航業の持ち株会社である。
主要株主である筆頭株主および「その他の関係会社」の異動に関するお知らせ
http://www.ajiko.co.jp/documents/kabunushiidou080422.pdf
アジア航測株式会社の株式取得に関するお知らせ
http://www.kkc-hd.co.jp/news/20080422/20080422_1.pdf
これらの資料によると,日本アジアホールディングスが持っていた議決権ベースで約29%のアジア航測株を国際航業へ譲渡したようだ。譲渡額は,国際ホールディングスの資料によると...
4)取得価額(概算) 2,152 百万円(1株あたり490 円)
とのこと。これで国際航業ホールディングスが29%の株式を取得することになり,経営統合を提案したようだ。国際航業ホールディングスの資料には,統合提案に関係する資料が掲載されており,統合後の体制についても示されている。
最近は,昔の空中写真や地図の公開が流行(?)している(リンク1, 2, 3)が,とうとう明治時代の地図が公開されるようになった。これは非常に興味深い。
歴史的農業環境閲覧システム
http://habs.dc.affrc.go.jp/index.html
こちらのシステムは,独立行政法人農業環境技術研究所(農環研)が公開したシステムで,迅速測図という地図が公開された。迅速測図は,近代的な地図測量が始まって間もない明治初期ころから中期にかけて測量・発行された地形図である。陸軍が作成したもので,縮尺は2万分の1である(この辺の説明は,マップショップが詳しいかも)。
サイト自体は,オープンソースのWebGISを使っているようで,サイト上で地図が簡単に閲覧できる。一応,OGCに準拠したWeb Mapping Service (WMS)によって地図画像が描画されているようだ。以下のURLで地図画像をリクエストできる。
http://habs.dc.affrc.go.jp/geowebcache/wms?WIDTH=256&
SRS=EPSG:4326&LAYERS=rapid_latlon_2&HEIGHT=256&
STYLES=&FORMAT=image/png&SERVICE=WMS&
VERSION=1.1.1&REQUEST=GetMap&
EXCEPTIONS=application/vnd.ogc.se_inimage&
BBOX=139.63623,35.4418,139.64721,35.45288
(細かい説明はしないが,「EPSG」は投影法コードである。4326はPlate Carree図法である。このコードを変えてみたが,4326しかサポートしてないようだ。メルカトル図法の54004ではエラーとなる。)
上記URLの場合の地図画像はこちらである。関内付近である。
さらに,FAQによるとGoogle Earthのkmlファイルを読み込むこともできる。Google Earthのメニューで「追加 > ネットワークリンク」を選択し,
「http://habs.dc.affrc.go.jp/kml/doc.kml」
を入力する。すると,簡単にGoogle Earthの写真地図と比較できる。また,透過表示ができるので,位置あわせの精度も確認しやすい。
Google Earthを見ると,かなり位置ずれは発生しているようだ。図化は写真測量ではなく,平版測量だったこともあるのだろう。迅速測図は簡単な方法で幾何補正されており,方法によっては精度が上がる可能性もあるだろう(リンク)。とはいえ,数十メートルの誤差は生じているため,最新の地図とぴったり重ねることは難しいだろう。
したがって,最新の地図と比較する際は,数十メートルのずれがあると認識して観察する必要がある。Google Earth上でピンポイントで位置を決めて,迅速測図をオーバーレイさせてそのポイントが正確であると判断してはいけないのだ。
昔の地図になると,位置精度の問題は必ずつきものであるが,公開する価値は非常に高い。国土地理院もそろそろ過去の地形図を公開しても良いと思うのだが...。
地図や地名のことをテーマにした本を世に送り出す第一人者である今尾恵介氏の本「地名の社会学」が出たので,早速購入してみた。ちなみに,Amazonのお勧め機能のおかげで,この本の存在を知ることができた。Amazonに感謝する次第である。
この本では,これまでの今尾氏の本でみられたように,地名に関するトリビア的な話や小ネタが満載である。よく調べたなあと関心してしまう内容がほとんどである。第5章の「駅名を分析する」では,駅名は旧地名がかなり残っていることを知ることができた。個人的には,いつも通過している小田急線の鶴川駅が,「鶴見川」の省略形だということは知らなかった。
地名の由来は,各所で非常にオリジナリティーがある。それが時代を経て,社会制度や政治的な影響を受けて,消滅・拡大・変化した過程が,各章のどのトピックについても,詳細に調べられている。そして,場所にそぐわない地名が各地に誕生し,オリジナリティのある地名が消滅することを,筆者が憂いている。しかし,筆者がここまでこだわって地名の変化を詳細に調べる意義は何だろうか。
その理由は,この本の最後の最後に登場する。それが本エントリのタイトルである,「地名は過去への道標」である。このことばを本文で言及した後,筆者は次のように述べている。
われわれの先祖たちは日本中の至る所の土地を舞台に開墾して米や芋を作り,木を伐り,獣を追い,神を祀り,またある時は戦い,さまざまな活動を続けてきた。しかし,それらの一つひとつの活動は地名という見出しを付けることによって初めて「歴史」と認定され得るのである。その見出しが失われた時,無数に積み重ねられたこれらの活動は,現在と繋がる手がかりを失ってしまう。
(本文253ページ)
上の引用した文章の内容は,本を読んでいるうちに,薄々感じてくるのだが,最後にこの一文で「そうだよね。」と,納得させられるわけである。私の意見としては,上の引用のような主張を第1章で行うべきだったのではないかと思う。最初に筆者の問題意識を共有できていれば,鶴川が鶴見川だったような内容も,単なるネタではなく,読者の捉え方が違ってくるのではないかと思うのだ。
筆者の問題意識が共有できると,自分の住んでいる所の旧地名はどうだったのか,知りたくなるのではないだろうか。しかし,現状では旧地形を簡単に調べる方法はない。過去の地名をデータベース化するなど,過去の地名を調べやすい環境を整備することの必要性を感じるのではないかと思う。この場合,残念ながら過去の空中写真を眺めるだけでは不十分である。古地図を公開する意義はそこにあるのだと思う。
Google Earthの登場によって、有名になったKML(Keyhole Markup Language)が、地理空間情報の標準化団体であるOpen Geospatial Consortium (OGC)によって、オープンスタンダードとして承認されたことが発表された。いくつかのIT系ニュースサイトでは報じられているが、ソースは以下にある。
OGC announced the approval of the OpenGIS® KML Encoding Standard (OGC KML), marking KML's transition into an open standard which will be maintained by the OGC. Developers will now have a standard approach for using KML to code and share visual geographic content in existing or future web-based online maps and 3D geospatial browsers like Google Earth.
OGC® Approves KML as Open Standard
オープンスタンダードについては、こちらの説明を参照されたい。
先日、MicrosoftのLive Search MapsやVirtual EarthがKMLに対応したことが報じられたが、KMLがオープンスタンダードへ向かっている流れがあったことに対応していたのだろう。
昔からある地理情報システムの分野では、デファクトスタンダードとしてシェープファイル(shp)が知られているが、誰もが簡単に使用できるわけではない。KMLは、Microsoftの地図やGoogle Earthで読み込み可能なわけであるから、インターネットに接続したユーザなら誰でも使える地理空間情報のデータ形式となる可能性が高い。今後、KMLは地理空間情報をインターネット上を融通させるデータとして活躍することは確実だろう。
Googleに買収される前のKeyhole社のころからKMLは存在していたが、その当時は、KMLの仕様はコンフィデンシャルだったと記憶している。そのような当時を考えると、オープンスタンダードまではあっという間だったと感じる。
久々にMicrosoftの地図ネタが2つある。
- KMLファイルをサポート
- 都心の3D表示がスタート
新版の最大の特徴の1つは、Live Mapsのコレクションを、KML、GPX、GeoRSSファイルとしてエクスポートし、ナビゲーションシステムに直接ロードできるようになったことだ。コレクションは、ユーザーが地図上に書き加えた情報とレストランや映画館のような個別の店舗情報をまとめて保存したもの。例えばコレクションをKMLファイルとして出力し、Google Earth上にマップすることも可能になった。
KMLのほかに,GPSを使用する際に使うことの多いGPX,RSSに位置情報を付けるGeoRSSもサポートした。これによって,これら3つのファイルの読み出し(インポート)と書き出し(エクスポート)が可能となった。
データに互換性があることは,とても重要なことなので,このサポートは評価に値する。今後もそのほかの標準化された地理空間情報のデータフォーマットがサポートされることを期待したい(もちろん,Google Earthにも)。
マイクロソフトの地図サービス「Live Search 地図検索」ベータ版がパワーアップした。日本も3D機能に対応し、立体的な地図を表示できるようになった。表示地域は東京都中心部からスタートし、今後大都市や観光都市に拡大していく予定だ。
とうとう日本で3D表示がスタートした。既に3D表示ができるGoogle Earthとは違って,ブラウザ上で3D表示が可能である。つまり,Google Earthのような別ソフトを起動する必要はない。早速試してみたが,都市の大きな建物には壁面にテクスチャが貼ってあり,Google Earthのグレーの箱ではない。しかし,壁面のある建物を全部整備するのはとても無理な話だろう。目立つ建物しか3次元表示しないのだろうか。また,非力なPCではとても動作が遅くなり,不満が残る結果となった。
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先月,昭和30年代の空中写真地図がgoo地図に登場したことを紹介したが,早くも昭和20年代の空中写真が登場した。東京23区では,昭和22年,昭和38年,現在という3時期の写真地図を閲覧可能となったわけだ。昭和20年代の空中写真は,米軍が撮影したものであり,戦後すぐの土地利用を知る貴重な資料である。さっそく,3時期の変化を観察してみることにした。
今となっては23区は,ほとんどが市街地化しているが,都心から少し離れた外側の住宅街でも,昔は田舎の風景が広がっていたらしい。今回,小田急線祖師ヶ谷大蔵駅,千歳船橋駅,環状8号線のあたりを観察してみる。
ちょうどこのシーンでは,南北を環状8号が走っている。そして,東西に小田急線が通っており,左に祖師谷大蔵駅,右側に千歳船橋駅がある。昭和22年は環状8号はなく,田畑が多いことがわかる。昭和38年になると,環状8号の工事がはじまったように見える。最新の空中写真では,環状8号が通っていることが確認でき,周辺はほとんど住宅街となっている。
- 詳細な地形データと重ねてみると面白いかも
このように,土地利用が変化してきたことが容易に観察できるわけだが,先日紹介した基盤地図情報の詳細な地形データ(5m DEM)と重ねてみるとおもしろいだろう。かつて水田で,住宅街に変わったところでは,低地だったり,谷沿い地形だったりする場合が多い。
- 23区以外の米軍撮影空中写真
23区以外は,地図として重ねられないが,国土地理院が国土変遷アーカイブというサイトで公開している。どの範囲まで公開しているのかはよく分からないが,相当な数の空中写真が閲覧できる。なお,この空中写真は,地図に投影するための変換がされていない,生データである。時系列にデータがあるので,土地利用の変化は十分に比較できる。
例えば,SFC(湘南藤沢キャンパス)周辺の昭和22年撮影の空中写真も見ることができる。川沿いの低地は水田,あとは畑で,谷戸地形の斜面は樹林地となっており,住宅街はほとんどない。今でもSFCは田舎であるが,昔はど田舎だったのだ。
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悲しい
サイレントマジョリティの意見を代弁
学者を鵜呑みにせず自分で考えようというというキッカケ前回のエントリーで紹介した,国土地理院の基盤地図情報のサイトだが,さっそく5m DEM(地形データ)を解析が容易なバイナリ形式の画像データとしてインポートしてみることにした。おそらく,GISソフトウェアのベンダーが今後インポーターを出すと思うので,一時的な方法となるだろう。
基盤地図情報では,JPGIS形式とGML形式の2つのデータ形式があり,ダウンロード可能である。どちらも,XML形式のようなテキストデータである。今回,テキスト処理が容易そうなGML形式のデータを利用した。処理は,Linuxのコマンドとシェルスクリプト,C言語を利用した。
データは,2次メッシュを10x10=100つのメッシュに分割されており,それぞれ拡張子がxmlのテキストデータとなっている。このテキストデータを1つずつ読み込み,バイナリデータへと変換させ,ENVIというリモートセンシングのソフトウェアのヘッダーファイルを出力するようにした。従って,ENVIを持っている人は,位置情報が入った形でデータを読み込むことが可能である。他のリモートセンシングのソフトウェアでも,インポートできるだろう。
今回作成したシェルは次の通りである。細かい点は説明しないが,データ内から,画像のサイズや各ファイルの四隅の緯度経度を読み込み,標高値のデータの適すとの部分を抽出し,バイナリに変換する。バイナリへ変換するC言語のプログラムのソースコードはこちらに公開した。
ENVIを持っていなくても,フリーのソフトであるGDALを使うことで,任意の形式に変化可能だ。gdal_translateというコマンドで可能である。また,今回のスクリプトでは,データはタイル状に作成されるため,別途繋ぎ合わせる作業(モザイク)を行う必要がある。GDALでは,データを繋ぎ合わせることも可能である。
各データを繋ぎ合わせて,Geotiff形式に変換し,ArcGISに表示させた結果は以下の通りである。場所は23区南部にあたる地域であり,メッシュのコードで表現すると,533935である。
青いほど低く,赤いほど標高は高い。標高の範囲は0mから50mとなっており,それほど地形の起伏がある地域はないが,とても細かく表現されていることがわかる。そして,とある衛星画像と重ねたところ,水域はほぼ重なっており,ちゃんとインポートできたと思われる。しかし,データの上部には,変な模様が入っている。元のデータを見ると,標高値と-9999の値が交互に並んでいることが分かり,元のデータに問題があると考えられる。
特にアナウンスは無かったが,2008年4月1日から国土地理院が基盤地図情報の公開を開始した。
基盤地図情報
http://www.gsi.go.jp/kiban/index.html
このサービスの概要については,FAQを参照すると良い。要するに,国土地理院や地方自治体が協力して,基盤地図情報を整備していき,誰もが使用できる仕組みを作ったのである。もちろん,使用の際は今までと同じで申請が必要なケースもあるが,このようなデータに簡単にアクセスできるようになるのは非常に重要な事である。現段階では,限られた場所しか整備されていないが,次第に整備範囲は広がっていくだろう。
整備されたデータは,基盤地図情報のサイトでダウンロードできるビュアーで閲覧可能で,ESRI shpファイルに変換できる機能があるようだ。
基盤地図情報で一番注目していることは,地盤高のデータであるDEMが5mの空間解像度で整備されたことである。5mのDEMは一部地域でCD-ROMで販売されていたが,こちらのサイトで無料でダウンロードできるようになった。この5mのDEMは,航空レーザ測量による詳細なデータから作成されており,従来の50mのDEMよりは格段の空間解像度が向上している。なお,50m DEMは2万5千分の1地形図の等高線から作成されたものであるため,地図作成者が空中写真から立体視して作成している。一方,5m DEMは,航空レーザ測量のたくさんの点データを,半自動処理(フィルタリング)によって作成しているデータである。






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