2008年5月アーカイブ

とうとうGoogle Earthがブラウザで見られるようになった。これは,Googleの地理空間情報に関する戦略でターニングポイントかもしれない。

Google Earth APIはJavaScriptベース。サイトに組み込んだGoogle Earth上へのマーカーや線、3Dモデルなどの追加やカメラのコントロール、Google Skyモードへの切り替えなどが可能で、Google Earthを基にした3Dアプリケーションが自由に開発できるようになった。また、Google Maps API使用サイトのスクリプトに1行加えるだけで、サイトを簡単に3D化できるという。 「ブラウザ版Google Earth」が可能に――GoogleがAPI公開 ITmedia

GoogleがKeyholeを買収してGoogle Earthを公開した際,Google MapsとEarthの2つで地理空間情報のサービスを続けていくことに,違和感を覚えていた。というのも,Google Earthを利用するためには,ブラウザから離れて別アプリを起動する必要があり,一手間かかってしまうからである。また,独自ソフトウェアであったためAPIなどはなく,拡張性が無いことも,3次元の地理空間情報の可視化ソフトとしては優秀であっても,違和感を覚えたのである。しかし,今回のようなGoogle Earth APIの登場によって,すべてをブラウザベースで行うGoogleの戦略は一貫していることを実感した。

思うに将来は2D (Google Maps)はなくなり,3DのGoogle EarthのみがGoogleの地理空間情報サービスとなる時代が来るのではないだろうか。2次元の地図は,紙での表示しやすさや紙地図の携帯の容易さから,主流であるに過ぎないと思う。ただし,3次元の表示が可能なディスプレイ上であるならば,むしろ情報量が多く,視覚的に直感的である3次元の方が地理空間情報を用いて何らかの意思決定をするためには有効だと思う。

すぐにはGoogle EarthとMapsは統合することは無いだろうが,最終的にはブラウザ上で動くEarthへ統合されていくのではないかと思っている。

以前,MovaTwitterの位置情報とGoogle Mapsを組み合わせたブログパーツを作成した

Twitter + Google Maps ウィジェット
http://www.tagchan.net/twitter_widget.html

今までは地図はGoogle Maps APIを使っていたが,今回はGoogle Static Maps APIを用いることにした。以下のURLでこの作品を紹介している。

Twitter + Google Static Maps ブログパーツ
http://www.tagchan.net/twitter_widget_v2.html

Google Mapsのときは,地図のアイコンはTwitterのアイコンを使用したが,Google Static Mapsでは,アイコンを使うことができないので,デフォルトのアイコンを使用している。

スクリプト自体はシンプルなので,改善しながら使っていただけると幸いである。

インターネット地図のカンファレンスである,Where2.0がアメリカのカリフォルニアで開催中だ。この内容については,マイコミジャーナルに詳しくレポートされており,参考になる。

Where 2.0 - 「Geowebの世界に自分の居場所を反映」が今年のテーマ
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/05/15/007/

この記事によると,今年のテーマは「ユーザーのロケーション」なのだそうだ。パソコンのブラウザで地図サイトから検索するのではなく,ユーザのいるいろんな場所で,その場所に関連するユーザの一番欲しい情報を入手することを目指すのが,このテーマの意味するところなのだと思う。

その場所において,ユーザの欲しい情報を入手するためには,情報を必要としている人がどこにいて,その場所に関連した情報を,ユーザがいかに簡単かつ適切に探し出すのかが重要となる。従って,ユーザのロケーションが重要であることは当然であるし,必要な情報が位置情報と関連付けられていなければならない。GPSや無線LANによて,ユーザ自身の位置の特定は容易となりつつある。あとは,いかに情報や物に対して簡便に位置情報を与えていくのか,が課題となるだろう。この課題さえ克服すれば,地図が必要不可欠な媒体となり,地理空間情報の技術はインターネットの必要不可欠なコンテンツなれる可能性を秘めているのではないかと思うのである。

上記記事では,GoogleのJohn Hanke氏(Keyhole社の創業者)が,「ジオグラフィは、世界をデータとして見るうえで有用なレンズだ」と述べたことが紹介されている。レンズどころか,眼となる可能性もあるだろう(これは言い過ぎかな...)。

Google関連としては,「Geo Search API」がどんな感じなのか気になるところだ。あとは,ESRI社との連携が発表されたのも注目に値する。ESRI社はGoogleが地理空間情報関連に参入する前は,一番大きな勢力だった。ESRIとGoogleは,旧勢力と新勢力のような関係だった。そんな2社が連携を発表する意味は大きい。というのも,ESRI社の地理空間情報のフォーマットは,これまでデファクトスタンダードだったのだが,Googleと連携することで,KMLとのやりとりが容易になることが予想される。一昔前の地理空間情報は,ESRI社のフォーマットが多かったこともあるし,もともとESRI社もウェブ上でのGISを進めてきた経緯もあることから,いっそう多くの地理情報がKMLを通して,インターネット上に出回ることになるだろう。

平成20年5月2日から3日にかけて,ミャンマーを襲った大型サイクロンによる洪水被害が,衛星画像によって撮影され,JAXAとNASAにて公開されている。メモとしてリンクを以下に示しておく。

NASA Satellite Captures Image of Cyclone Nargis Flooding in Burma
http://www.nasa.gov/topics/earth/features/nargis_floods.html

NASAの衛星画像は,光学センサを使ったものである。光学センサの場合は,直感的に判断しやすいが,雲に覆われたら地表面は見えない。これから東南アジアは雨季に入るため,雲に覆われて光学センサで地表面が見えないこともしばしば。

ミャンマー・サイクロン洪水被害
http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2008/tp080508.html

JAXAの衛星画像は,光学センサとは異なる電磁波の波長帯を使っている。そのため,雲の影響を受けずに地表面を見ることが可能だ。洪水の場合は比較的把握しやすい。

今月は3冊しか読めなかった。というのも、7つの習慣は2週間以上読むのに時間がかかったから。

    【2008年5月18日】「地名の社会学」を忘れていました。追加します。
  1. 地名の社会学 (角川選書)
    今尾 恵介
    角川学芸出版
    売り上げランキング: 319759
    おすすめ度の平均: 2.0
    2 冗長で読みづらい


  2. 7つの習慣―成功には原則があった!
    スティーブン・R. コヴィー ジェームス スキナー
    キングベアー出版
    売り上げランキング: 31
    おすすめ度の平均: 4.5
    5 いいね.....
    5 一貫性があり説得力があります。
    5 当たり前のことが難しい
    5 本物になれ!という事を力説。
    5 7つの習慣


  3. アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者
    小川 浩 林 信行
    インプレスR&D
    売り上げランキング: 104775
    おすすめ度の平均: 3.0
    1 金と時間の無駄!
    1 う〜ん...
    4 対比によって特徴を描き出す
    1 ひさしぶりに買って損した本かも。。。
    3 アップルとグーグルのいいとこ探し


  4. 知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
    苅谷 剛彦
    講談社
    売り上げランキング: 1971
    おすすめ度の平均: 4.5
    5 「比類のない」本
    5 本書から得たもの
    5 自分の力で考えるための訓練に良い
    4 ロジカルシンキングの言葉を使わずにここまで書いているのがスゴイ
    2 ステレオタイプ