ここ数日,複数のテレビ局でエコ関連が番組の主要テーマとして取り上げられている。このような番組を通して,最近の温暖化の話題を眺めていると,温暖化問題狂想曲というくらい,「人間による化石燃料の使用が地球温暖化の主因と考えられる」という温暖化説が盲信されているのを感じる。そして,自然環境の特異な変化を,単純に温暖化が原因と結び付けている報道が多いように感じる。これには,若干の違和感を覚える。
(なお,このエントリのテーマは,温暖化問題やエコ関連を否定することを主旨とはしていない。)
1. 人間を起源とした温暖化説は本当か?
根拠となっているIPCCの報告書では,「人間による化石燃料の使用が地球温暖化の主因と考えられ,自然要因だけでは説明がつかない」という内容となっている。多くの研究者や政府関係者によって,長い時間をかけて作成された報告書の内容は尊重する。私は反論するつもりはない。人間を起源とした温暖化説を支持すること自体は構わないと思っている。だが,科学が出す成果には不確実性が残っているということを理解した上で,人為的起源による温暖化説を支持して欲しい。
実際には,温暖化は人為的起源ではなく他の要因とする説も存在しており,その可能性は完全に排除されたわけではない。また,将来を予測するシミュレーションで温暖化を予測する研究がよく取り上げられるが,シミュレーションには入力するパラメータが多く,現実世界を再現または予測することは難しい。また,パラメータの少しの違いが大きな結果の違いを生じさせることもある。そもそも,地球規模で多くの現象が相互に影響し合って起きる自然現象に対して,100%の自信で断定することは不可能に近い。したがって,「現段階では数多くの研究によって人為的起源による温暖化説が支持されているが,他の原因とする説も出ている」という認識が適切なのである。
繰り返すが,人為的起源による温暖化説を信じること自体は全く構わないと思っている。しかし,この温暖化説が100%正しく,他の可能性は絶対に無い,という認識は適切ではない。それを意識した上で,メディアやさまざまなソースで取り上げられる温暖化問題について,接してもらえると幸いである。
2. 最近の自然環境の変化は温暖化が原因か?
例えば,どこかで集中豪雨や洪水が発生したとか,記録的な高温を観測したとか,そういうシビアな現象や記録的な何かが発生した場合に,すべてを温暖化と関連付けてしまうケースをよく見かける。ほかにも,どこかの湖のある生物がいなくなったとか,今までいなかった動植物が増えたというケースでも,「温暖化の影響」と一言で片付けてしまっているケースを見かける。
もちろん,そのような現象が温暖化が原因である可能性は否定できないのは確かだ。しかし,そういう問題を,一言で「温暖化の影響」と決め付け,思考をストップさせてしまってないだろうか。
例えば,気温や降水量は,多い年もあれば少ない年もあるように,自然現象は「ぶれる」ことがあたりまえだ。したがって,温暖化が原因であると判断するためには,短期的な視点で,シビアな現象や記録的な何かだけの情報にとらわれるのではなく,長期的にデータを観察した上で慎重に判断されなければならないのだ。なので,集中豪雨などのシビアな気象の話題になった場合,「温暖化の影響で...」ということは軽々しく言えない。
まとめ
結局のところ,上記の①と②を深く考えずに信じてしまっている人が多いような印象を受けているために,温暖化問題に対する多くの人々の関心に対する違和感を覚え,それに対する警鐘を鳴らしたいと考えたことが,本エントリを書いた動機である。「そんなこと,みんなわかっているよ!」というのであれば,杞憂に終わることになるので,それはそれで良い。
温暖化問題を通してエコ(エコという2文字で表現することにも違和感を覚えるが...)に力を入れることは,地球のことを考えた行為として,尊敬に値する。それでも,単純な思考はせずに,「地球温暖化ってのは人間が原因である可能性が高いみたいだけど,自然は複雑だし,いろいろとあるみたいだよ」,「異常気象みたいだけど,もっと長い目でみないと温暖化が原因なのかわからないよね」というように,自然に対する複雑性を頭の隅のどこかに置いたうえで,温暖化問題に接してもらえると幸いである。
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