- 2009年1月13日 21:39
- 話題
Google検索による二酸化炭素排出量の算定の結果が波紋を広げているようだ。
グーグル検索2回でおよそ7gの二酸化炭素が排出--米物理学者が指摘 (Cnet)
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20386361,00.htm
ハーバード大学の物理学者Alex Wissner-Gross氏によると、デスクトップコンピュータ上で一般的なGoogle検索を1回行うと、およそ7gの二酸化炭素が排出されるという。よって、Google検索2回分の二酸化炭素排出量は、やかんでお湯を沸かした時の排出量に匹敵する、と英国The Times紙は現地時間1月11日付けの記事で報じている。
1回の検索で7gが排出される,という言葉と数字が一人歩きしているのではないだろうか(Cnetのタイトルはこれでよいのか?)。このハーバード大学の物理学者がどのような意図で,このような算定結果を求めたのかが知りたい所だ。おそらく,Googleは二酸化炭素をあまりにも排出している,ということを示すために算定したとは考えにくい。
先月,プラネット・グーグルを読んだが,Googleはそれなりに低消費電力型にしようと努力していることが伺えた(第2章)。また,以下のようにGoogleは反論している。
Google、「1回のGoogle検索で二酸化炭素7グラム排出」の論文に反論 (ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/13/news026.html
同社は「世界一」エネルギー効率のいいデータセンターを設計・設置していると主張。2008年には同社の慈善団体Google.orgが、クリーンエネルギー開発に4500万ドルを投じたこと、同年夏には再生可能エネルギー開発専門事業部を社内に設けたことを説明。さらに2007年には「Climate Savers Computing Initiative」を共同設立し、2010年までにPCによるエネルギー消費量を半分に削減し、二酸化炭素排出量を年間540万トン削減する目標を立てていると主張している。
なお,TechCrunchは,Googleを擁護している(リンク)。私も,この記事の考えに近い。
以下に私の意見を2つ述べておきたい。
- ウェブサービスの二酸化炭素排出量算定方法自体は意義がある
- サービスを利用することによって排出されずに済んだ二酸化炭素の量も考慮するべき
大気中の二酸化炭素濃度を抑制という大義名分もあるが,二酸化炭素排出量を抑えることは,電力消費量を抑えれることに繋がるため,企業の電力に関するコストを低下させられる可能性がある。そのため,可能であれば業界で算定方法を確立または統一すればよい。そうすることで,企業間で排出量を抑えるインセンティブを働かせることができ,業界全体で以前よりも排出量を削減できるかもしれない。
当然のことながら,新しいウェブサービスを始めるために,サーバーを設置して運用することで,必ず電力を消費し,間接的に二酸化炭素を排出することになる。しかし,それによる排出量を算定するのみでは,一方的な評価である。ウェブサービスの利用によって,排出されずに済んだ二酸化炭素排出量を算定することも必要である。つまり,排出された量と排出されなかった量を算定した上で,そのサービスの利用または存在により「二酸化炭素が以前より排出されるようになった」という判断を下すべきである。
ただし,計算してみると,実は排出量がかなり多い結果となるかもしれない。そうなると,他の企業(業界全体として)も同様の傾向となる可能性が高い。そうなることも考慮すると,絶対量で判断するよりは,他の企業との比較による相対的な評価も必要であろう。
また,排出されずに済んだ量を算定することは,人間の行動の中でどの範囲まで含めるかという線引きが難しいと予想され,算定方法は容易ではないだろう。したがって,この点は研究課題といえる。
まとめると,二酸化炭素排出量の算定手法を確立し,業界で算定方法を統一することは意義がある。二酸化炭素の排出量という側面で評価するためには,排出されない量も算定するべきであり,他の企業の算定結果との比較によって,評価されるべきである。ただし,排出されなかった量の算定は難しい。