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国土地理院の基盤地図情報の地形データを無料のGISソフトで表示する

  • Posted by: tagchan
  • 2009年2月 7日 11:45
  • 地図

このエントリーでは,基盤地図情報の地形データをGISソフト等で解析できる形に変換し,無料のGISソフトで表示する方法を紹介する。

基盤地図情報について

基盤地図情報とは,国や地方公共団体が整備したデジタル化された地理情報である(詳細)。 なお,国は基盤地図情報を無償でインターネット上で公開することが法律で定められている。ただし,使用には著作権者の許可が必要である(国土地理院の地図についてはこちら)。

今回は特に地形データ(DEM)に注目してみたい。5mメッシュ(正方形のメッシュで,一辺の長さが5mという意味)の地形データは2008年3月から公開されており,範囲を広げてきている。また,10mメッシュについては,2008年10月に四国が整備されて公開され,2009年2月1日からは全国が整備されてダウンロード可能となった。国土地理院が発行している,全国で整備された地形データは50mメッシュしかなかったため,10mとなったことで大幅に解像度が向上した。

5mおよび10mメッシュの地形データは,今後は研究用途でも利用が広がる可能性がある。そこで,公開されいているデータ形式から,プログラムによってGISソフトで読み込みやすい形に変換することを試み,無料のGISソフトであるQuantum GISで表示させてみることにした。

プログラムについて

作成したプログラムはCygwin上で開発して動作確認を行っており,LinuxまたはCygwin上で動くプログラムである(Macでも動く?)。Cプログラムを含むため,Cygwinを使う場合はgccがインストールされている必要がある。Cygwinのインストール方法はウェブ上にたくさんあるので参照されたい。変換プログラムはこちらである。zipファイルを解凍するとフォルダが出てくるので,フォルダごと実行するディレクトリへ移動する。

地形データのダウンロード

今回は10mメッシュの地形データをダウンロードしよう。基盤地図情報のダウンロードサイトへ移動し,「JPGIS 2.0 (GML) 形式」をクリックする。そして画面が切り替わり,ページ下部の「10mメッシュ(標高)」の右にある「地図から選択」をクリックする。そのページの説明に従って,必要なメッシュの箇所を選択し,ダウンロードして解凍する。すると,xml形式のテキストデータが出てくる。そのファイルを,先ほどのプログラムを解凍した時に出てきたフォルダへ移動する。なお,同じ別の箇所を選択してDLして解凍したxmlファイルであれば,先ほどのフォルダへ移動すると,バッチ処理で変換を行うことが可能である。

プログラム実行

データのダウンロード,解凍,移動が完了したら,プログラムのフォルダへ移動し,dem.cshを実行する(一応,Cプログラムのexeファイルはあるが,コンパイルした方が良いかもしれない)。最初にメッシュサイズが10mか5mか聞かれるが,「10m」を入力すると,処理がxmlファイルがある分だけ繰り返し実行される。

このGML形式のファイルは,タイル状になっており,データの格納順番は,北西からx軸の正方向(西→東の順)へ進み,東端に達すると、y軸の負方向(北→南の順)に進み,南東端に至るという順序であり,それがテキストで記載されている。なお,このデータは等緯度経度の投影法である。これをその順番のとおりに浮動小数点(Float)のバイナリデータに変換していく。それを,今回のようなラスタデータの変換が容易なGDALというプログラムで読み込めるように,位置情報を付加しれたヘッダーファイルを生成している(厳密にはENVIフォーマットにしている)。

なお,このプログラムは個々のxmlファイルで変換を行うことが可能である。しかし,データどうしを接合(モザイク)をすることはできない。GDALでは,gdal_merge.pyでできるらしい。

【2009年2月14日追記】
どうやら,gdalwarpでもできるようです。

Quantum GISの表示方法

処理が完了すると,個々のファイルには「ファイル名.bin」と「ファイル名.bin.hdr」という拡張子が付いたファイルができ,これらは本体とヘッダーファイルとなっておりセットとして扱う。これでQuantum GISで読み込むことが可能となる。

Quantum GISを起動し,ラスターレイヤーを追加を選択し,ファイルの種類を一番したの項目を選択し,.binのファイルを選択すると,Quantum GIS上に表示されるはずである。

表示結果例

Quantum GISで表示した例を紹介する。なお,カラーマップは「原色」にして表示した。また,地形データは接合を行っている。

5m.png

10m.png

全体的な地形表現は同じである。なお,同じデータ内の色の違いには意味があるが,2つのデータ間の色に違いは意味がないので注意が必要である。2つのデータの地形の表現を観察すると,詳細さがまったく異なっているのが分かる。


以前に紹介したWMSのレイヤーを重ねてみよう。基盤地図情報25000のレイヤーを重ねてみた。なお,オルソ空中写真も容易に重ねることができた。

kiban.png

地形データの作成方法について

10m地形データの作成方法はメタデータでの表記で以下のように示されている。25000分の1地形図の等高線からメッシュデータに変換したデータである。

作成方法(全国の2万5千分1地形図の等高線データ等から不規則三角網(以下、「TIN」という。)を作成して、地表を緯度経度ともに0.4秒(約10m)間隔で区切った方眼(メッシュ)の中心点の標高を記録した。)

http://fgd.gsi.go.jp/metadata/fmdid0-5.xml

一方,5m地形データの作成方法はメタデータでの表記で以下のように示されている。こちらは,空中写真やレーザ測量から直接作成したデータである。

この標高データは、地表を5m間隔で区切った方眼(メッシュ)中心点の標高を、航空レーザスキャナ測量によって取得したデータをもとに、家屋や橋、樹木等を取り除いた地表面データとして作成した高精度な数値標高モデル(DEM)です。

http://fgd.gsi.go.jp/metadata/fmdid0-6.xml

この標高データは、地表0.2秒間隔で区切った方眼(メッシュ)中心点の標高を、写真測量によって取得したデータをもとに、家屋や橋、樹木を取り除いた地表面データとして作成したものです。なお、一部山地等の森林部については表層面データとなっています。

http://fgd.gsi.go.jp/metadata/fmdid0-7.xml

10m地形データは,人によって引かれた等高線から作成しており,1ステップ介していることになる。等高線を作成した時点で詳細な地形表現は削ぎ落とされている。一方,5m地形データは,直接作成している(半自動)ので,空間解像度も高いことも要因だが,より詳細な地形が表現できる。また,空中写真とレーザ測量では,レーザ測量のほうが詳細な地形が表現できる。

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