天気: 2007年3月アーカイブ
日本では,1999年にMTSATの打ち上げ失敗によって,後継機の問題が浮上しました。耐用年数を越えたひまわり5号をなんとか運用し,その後代わりにアメリカのGOESという気象衛星を持ってきて,気象衛星観測を継続できました。今は,バックアップ機も打ちあがってますので,日本の気象衛星観測は当分大丈夫でしょう。しかし,このアメリカの事例は,後継機すら予算がなくて打ち上げられない状況のようです。
米国、予算不足で気象観測衛星の運用維持が困難な状況に (Technobahn)
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200703191655
クイック・スキャット(QuickScat)は1999年に打ち上げられた気象観測衛星。耐用年数とされていた 5年を既に越えて運用が続けている。代換機の開発には約4億ドル(480億円)の費用と4 年の開発期間が必要となるが、今のところ、代換機の開発計画はまったく持ち上がっていない。
この気象衛星,ひまわりのように雲を撮影するのではなく,可視光や赤外線の波長帯ではなく,マイクロ波を使って風を観測する衛星です。気象衛星のように,地球から見ると同じところにとどまっているような軌道をとる衛星ではなく,周回している衛星です。
クイック・スキャット衛星は地表の風速や風向きなどを観測することができる気象観測衛星。800kmの中軌道を周回しながら地球の全域(正確には地球表面の90%)を観測する能力がある。地上の風速や風向きなどを観測することが可能で、観測が難しい主に海洋での気象データ収集には不可欠な気象衛星の一つとなっている。
この衛星,日本ではほとんどなじみがありませんが,
WMO衛星問題ハイレベル協議会の結果について (平成15年2月26日 宇宙開発事業団 )
http://www.jaxa.jp/press/nasda/2003/wmo_20030226_j.html#section-7
によると,日本の気象庁は,台風解析と数値予報に用いることが明記されています(ページ下の標)。ということは,現業としてこのQuickScatを使用しているようですね。知らなかったです。ということは,多少の影響があることが予測されます。アメリカのハリケーン予測の影響はというと…。
国立ハリケーンセンターではクイック・スキャット衛星が運用停止に陥った場合には2 日先のハリケーンの進路を予測する精度は10%低下、3日先の予測精度は16%低下することになるだろうとしている。
日本の台風の予想にどれくらい影響があるのかは,情報が無いので分かりません。日本もアメリカと同じデータおよび方法を採用しているのであれば,上記の数字のような精度が低下する可能性があります。
衛星データというのは,データの取得までに膨大なお金がかかるため,予算によって大きな影響を受ける分野です。現業として使用されている衛星データは,継続性を保ってもらいたいものです。
